私の勤務する会社は、市内で一番の保有台数を誇る老舗タクシー会社です。
しかし、現在の社長は、創業者であり、筆頭株主であった先代社長の急逝にともない社長の地位を受け継いだ人物で、丁度その頃がバブル景気で、業界最高景気の時期でした。

その為、経営に集中する事なく、毎晩、夜の街を飲み歩くのが習慣になっていた二代目社長は、馬鹿息子にありがちな放蕩息子で、取巻きの甘言に騙され、計画性も採算性もない観光バスの事業などを始め、あまりの乱脈経営に先代の頃からの役員に解任まで追い込まれました。

ところが自分を解任に追い込んだ役員を逆恨みし、卑怯な手を使い社長に復帰するとその役員を解任し、自分のやる事に口を出さない、例の取巻きだけで周囲を固め、結果、会社は巨額の負債を抱え込み、給料の支払いに回さなければならない金にまで手を付け、給料が支払えない状態にまで達した様です。

その為、主要取引銀行からOBを取締役として受け入れる事を条件に負債の返済計画を銀行に承諾してもらう事になったそうです。

ところがこの銀行OBは、社長から実権を奪い、その権利を振り回す事に主眼を置く人物で、会社業績を向上させ、より負債の全額弁済時期を早める気は、そもそも無い様な人物でした。元々メインバンクは、無理な返済計画を受け入れる積りはなく、まずは潰さない様にやってくれと言うもので、それをこの出向役員は、潰れかかった会社から高額の役員報酬(月50万円)を受取る事に自分で決定しました。後に某組合幹部には、返済計画は、70%程度実行出来れば上等と言っていた様です。

その割には、運転手側からの給料の歩合率アップの要求には、業績赤字でその要求は飲めないとしてました。
しかし、私が採用面接で初めて当時の事務所を訪問した時、事務所の内勤者の人数の多さに驚いた事を覚えています。
タクシー会社の内勤には、20~30名程の人数が必要なのか?と。それともタクシー以外にも他の事業をやっているのかもと。
ところが、入社した後、その人数の大半が明らかな余剰人員であった事が分かりました。
その人件費を賄える原資が、運転手への給料の支払額の基準である歩合率が市内最低である事も分かりました。

これまでも何度も組合は、歩合率アップを要求しましたが、その度に売上が赤字で上げられないという同じ回答でした。

組合が文書で回答するよう要求したにも関わらず、口頭での回答を組合幹部から聞いたところ、会社(銀行OB役員)は、赤字と負債を混同させる様な回答をしており、その額も非常にアバウトのものでした。
私はかねてより、組合幹部に会社に対し財務諸表・会計計算書を提出するよう要求すべきだと言っておりましたが、会社は当然そうした書類は提出しません。
それは、会社が赤字対策を何もしていない事が明らかになるだけで、しかも、そもそも月々の売上には赤字が発生していないのです。
何故なら、運転手の給料は完全歩合給で、運転手は稼いだ分しか貰っていないからです。
だからこそ、多くの内勤の正社員を抱える事が出来ているのです。

この事は少し考えれば誰でも気付く事です。
しかし、元々会社の第1組合は、御用組合と化しこの組合の幹部と一部の組合員が会社から優遇を受ける事で、この事に目を瞑ってきたのです。
第1組合がこんな状態なので、組合員の人数が減り続け、今や私の所属する2組の方が人数逆転し、運転手全体の過半数を占めるようになりました。



例えば、不当解雇にしても、法律の知識に乏しい運転手は、それが不当解雇である事にも気付きません。
退職してからハローワークの職員に愚痴をこぼすあたりが好例でしょう。

そして会社は、自分の気に入らない運転手を辞めさせる時、次のような作戦を使います。
会社に都合の良い様に改竄した就業規則の条項が書かれた部分のコピーを示し、「君は就業規則のこの部分に違反しているから辞めなければならないのだ」と至極当り前のように。
そして、これは公的には認められないので「しかし、解雇ではあまりに君にとって不名誉だろうから依願退職の形にしてあげる。その方が多少退職金も出せる」と。
そうやって本来辞めなくてもよい運転手に辞表を書かせ、運転手を辞めさせる事に成功させていました。

私はかねてより、私の所属する組合の幹部に、この会社の運転手の解雇の仕方が不当である事を上記の様に言い続けていました。

そして、そのやり方が後に銀行OB役員を辞任に追い込んでいきました。

長距離などの好条件の注文や注文の量自体も特定の運転手に集中しており、この特定の運転手とそれ以外の運転手との売上成績の格差は拡がるばかりで、その上事故等の処分に関しても、特定の運転手と激しい格差があるのです。

そんな中、私の所属する組合の組合員のある運転手が人身事故を起こし、辞める様に言われました。
先程書いたのと全く同じ手順で、人身事故を起こしたのだから、解雇されても仕方が無いと普通はそう思うでしょう。その、運転手も当初そう思い、言われるままに辞表を書きました。その時、売上成績も悪いと言われた一言が、一度納得したはずの彼の心にさざ波を立てました。
そしてそれが、冬に陸橋の欄干に新車を激突させても何等処分を受けず、その翌日から代車を与えられ、普段通り自力ではなく、会社からの依怙贔屓で好成績を上げ、修理から戻った新車を又乗り続けている運転手がいる事を思い出させました、


私は、かねてより自分の所属する組合の幹部に、一度辞表を提出したとしても、取締役の解雇権の濫用にあたる場合は、その処分は無効であり、裁判に持っていっても勝つ可能性が高いと言っておりました。

そして、一度辞表を提出したその運転手は、その後組合に相談し、辞表を撤回する意思を固めました。勿論他の運転手が同様の被害を受けないためにも組合は、その運転手を全面支援する事に決めました。

ところが銀行OBの役員は、その運転手の辞表の撤回には応ぜず、運転手の勤務を禁じ、運転手の提訴に応じる構えを見せました。
組合の説得にも応じず。

こういう解雇権を濫用したがる役員が会社にいる事は、非常に問題だと思った私は、この役員は会社から出て行ってもらうべきだと考えました。

以前より社長がこの役員を辞めさせたがっている事を知っていた私は、この際社長に協力して役員を辞任に追い込む事を提案しました。
うまく役員を辞任に追い込めば、組合は社長に貸しを作った事になります。

その貸しは、運転手の待遇改善という形で返ってくれば理想的です。

そして、この裁判は和解という形で終了したものの、実質的に運転手側の勝利です。
当然、裁判費用は会社側で持つ事で合意しました。
裁判官から過去の処分の記録を提出するよう会社側への要請がありましたが、提出したくない会社は、あろう事か、事務所引越しの際に紛失したと言ったのです。運転手側からの弁護士からは、陸橋の欄干に新車を激突させた運転手の事例が提示され、その運転手はいまだ勤務しているので、この事例を会社は否定出来ません。


そして、この度この役員は10月いっぱいで退任する事となりました。

社長が組合の貸しを返してくれるかどうか、その保証はありません。

しかしながら、組合がろくでもない役員を辞任に追い込む力がある事を社長に証明しました。

社長が役員を辞任に追い込む事が出来たのは、会社に重大な損害を与えた役員には、その賠償責任があるという法律で、その役員の責任を追及出来るという事を私が組合幹部を通じて教えたからです。そうではないと貸しを作った事にはなりませんから。

社長は、自分に無断で会社の金で弁護士を雇い、こういう不始末を起こす様な役員は置いておけないと、役員の出身銀行であるメインバンクに掛け合い、彼の辞任を促す事に成功しました。

メインバンクも出向者がこのような騒ぎを起こすようでは体裁が悪いので、彼を辞任させざるを得なかったのでしょう。

私は組合幹部にこんな話をしました。

滅茶苦茶散らかりきって掃除をする気も失せる様な部屋でも、少しでも片付ける事が大事だと。

そんな部屋は、一気には片付かないだろう。でも、少しづつでも片付けないと間違いなく片付かないと。

こびり付いた汚れは、時間をかけないと落とせないという事だと思います。
一般社団法人 秋田県ハイヤー協会
秋田支部会員会社 計17社

全国各都道府県にタクシー会社で構成される団体が存在する模様。

秋田県ハイヤー 協同組合
理事長 工藤憲三 従業員 5名
組合員 116名
所属団体 秋田県中小企業団体中央会

秋田ハイタク興業(株)
LPガス燃料給油所経営、タクシーチケット精算事業等

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市内の某タクシー会社の経営者の本業は産廃業である。
産廃業というのは、産業廃棄物を処理する仕事である。この経営者の産廃業は建物解体工事などの産業廃棄物がメインである。
ところで彼はかつて、タクシードライバー、バスの運転手をしていた時代がある。
彼のお兄さんが、県北沿岸部の某市で建設業を営んでおり、その関係で運転手の仕事を辞め、産廃業を独立開業したという話である。
彼は独立開業後、比較的短期間で業界トップクラスの売上を誇る会社へと事業を成長させた。
私が見る限り、彼に建設業従事者としての技能や専門知識は有しておらず、勿論国家資格も無い。
その彼が、個人的趣味でタクシー会社を開業し、一時はベンツをタクシー車両として使う、それも会社自己資金のみで開業に至るまでなったのは何故か?
この会社が開業したのは約6年前だから、世の中の景気は決して良いものではない。
タクシー業界も同様で、何故こんな時期にタクシー業界に新規参入すろのかと皆訝しんだ。
この点については、私に普通とは違う考えがあるので、いつか、別の機会に論じたい。

そんな風に彼は、産廃業界に転じてから彼の人生は、大きく転進したと言える。

産廃業界とは、後発の者がこれ程短期間に躍進出来る程、安易な業界なのだろうか?

こう考えてみれば、我々一般人は、我々の生活に、何等かの形で関係してくる産廃業界について、余りにも情報を持たない。
産廃というから無関係の話に聞こえるが、簡単に言えばゴミの話である。

産廃業とは廃棄物を扱う仕事で汚いものを扱うというイメージがあり、進んでこの仕事をやろうという人は少ない。
人が少ないという事は、競争が少ないという事である。
競争が少ないという事は、僅かな努力と工夫で他社より抜きん出る可能性が高いという事である。

だからと言って、何の仕掛けもなく、この経営者の様に短期間で大躍進出来る程、甘い世界とは私には思えない。

彼が暴力団関係者と親交がある事は、彼自身から聞き、私も自分自身の目でみている。
解体業者に暴力団関係者がいる事は、昔からの常識である。物を建設する事は苦手でも、壊す事なら彼等の専門分野である。
そして彼等は、大して金にもならないものをコツコツやる事は苦手中の苦手である。
だとすれば、産廃業界は彼等にとって美味しい仕事でなければならない。

こう考えれば、この経営者が産廃業で成功した裏には、きっと何かがあると思わざるを得ない。

この謎についての取材は、このまま進めたいとおもう。



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