こんちは、TARTです。

 

今日は、月面探査機SLIMについてです。

 

月面に着陸成功した国はたったの5カ国(米国、ロシア、中国、インドとやっと日本です。)

 

この件は詳しく下記サイトでもふれています。

 

 

今回は月面探査機【スリム】がどんな風に着陸したか、そして何が起きたのかについてになります。

月面探査機SLIM

引用元:JAXA

前にも説明した通り倒れることを前提に作られております。そして何と言ってもピンポイント着陸の検証機ででした。

ピンポイント着陸とスラスター落下

想定精度100mに対し精度は50mぐらいまでですね。かなり高精度で、ほとんどが狙った場所に着陸する予定だったんですが。スラスタという、(まあ小さなロケットエンジンだと思ってください。)

これを使って、右に進行方向を変えたり、減速したりします。それが二つ付いています。

そして、50mぐらいの時点で、このスラスターのうち、片方が何らかの原因で落下しました。

自分のカメラでその落下して行くスラスターが見えている写真が撮られました。

セラミック製スラスターで軽量化

なんの原因でそのスラスターが落ちたのかは分かりませんが。こちらの方ですね、三菱重工製のセラミックスラスターというものが中心になっています。

これは何かというと、普通スラスターは金属で作られます。

しかし、小さなものは、通常金属で作って再生冷却という方法を取ります。つまり、燃焼室ラジエーターみたいなもので、その燃料を循環させて冷やすと、それによって金属が溶けないようにします。

スラスターの中は約3000度になるので、すべての金属を溶かしてしまいます。

そのため、周りに冷却液を循環させて冷却し、溶けないようにします。しかし、これをやると重たくなるので、着陸船の乾燥重量は200キロになります。

 

大型のロケットであっても、日本や他の国から打ち上げられるものですが、地球の停止軌道に到達するためには、そのロケットが月まで運べるペイロード(搭載貨物)は約200kgです。

もちろん、その中には通信機器などが含まれています。ペイロードが重くなると、例えば500kgぐらいになると、それを地球の周回軌道に送り込むだけでも、かなり大きなH-IIAロケットが必要となります。

だから、削れるところを削りたいということで、今回はセラミックを使ったスラスターを採用しました。

セラミックだと、重量を削減できるんです。

セラミック製スラスターがネック

これは実はセラミックスラスターの2回目の仕様です。2回目は、申請の削減というところでもう十年以上前から使われておりまして、実はこれも打ち上げられています。

ただ、現在、トラブルシューティング中です。一応、問題が起こっていると思うんですけれども、一緒に打ち上げられたのがソーラーセイル実証機「イカロス」なんです。

けれども、イカロスはうまくいったんですが、金星探査機「あかつき」はこのセラミックスラスターが問題となっています。

つまり、このセラミックスラスターは2回打ち上げられ、2回とも完全な成功とは言えませんでした。

それは、かなり難しい技術が関わっているからでしょう。

私たちが見ている限り、どのように問題が発生したのかはまだ明らかではありません。

しかし、目から見ても、何かがおかしいことは明らかです。燃焼が正常に行われていないようで、異常燃焼が起きて、小さな爆発が起きたようです。

何が起こったのか、まだこれから調査する必要があります。中心部のピラミッド型のスラスターが何らかの原因で損傷したようです。

実際、今回の設計は、倒れることを前提にしていましたが、倒れ方が逆になってしまいました。

その結果、太陽電池パネルに光が当たらなくなりました。

JAXAの対応措置がすばやく用意周到

そのため、中継を見ていた人々は、何かがおかしいと感じたでしょう。プロジェクトマネージャーは、7時間8時間ぐらいしか時間がない中で、内部の機器を動かし続け、データを取り出すために必死に働きました。

その結果、スリム本体のカメラなどから映像を取り出すことができました。

なので、バッテリーが急速に消耗したと思いますが、現在はバッテリーを切り離しています。

大学とタカラトミーが開発した世界最小の月面ロボットLEV1と2が、その中に収納されています。このロボットが撮影した写真が、地球に無事に送信されています。

次に、本体の太陽電池についてですが、太陽電池はまだ機能しています。そして、その日の入りが3月1日から2日ぐらいになると予想されています。

この太陽電池がどのように西側に出るかというと、いわゆる西日が、2月から3月初旬ぐらいの頃に当たることが期待されています。

そうなると、太陽電池がバッテリーを充電し、スリムのデータが再び利用できるようになる可能性が高まります。

カメラで撮影したデータや、光の反射を分析することで、さまざまな成果が期待できます。

そして、スリムの最もすごいところは、ピンポイントで着陸することによって、月の資源探査が可能になるということです。

高精度なピンポイント着陸がもたらす発展

今一番メインでHOTなのは、北極と南極の探査ですね。これらの地域には、日が全く差さない部分があり、そこにはクレーターなどが存在します。

これらの場所には氷が存在すると言われています。その氷を解析し、現地で電気分解すれば、燃料として利用することができます。これが説明され、そういった場所に着陸すれば良いという意見が出ています。

まずは、ピンポイントで着陸する技術が必要です。

次に、探査機で遠くまで移動することは難しいです。

ローバーでも、数km移動することは可能ですが、何100キロも移動することは無理です。だからこそ、

ピンポイントで着陸する技術が非常に重要なのです。この技術を日本が初めて成功させたということで、これは大きな成果と言えます。完全な成功とは言えませんでしたが、80点から90点をつけても良いと思います。

これからの開発に必要な課題

探査機SLIMの技術的問題は、メインスラスターですね。これが解決できれば100点満点でしょうか!?

しかし、

有人飛行探査だと人の命の安全がかかるため、用意周到な人員、資金がつき成功性高いが経費が莫大。一方無人探査はそれほどかからない一方、経費が抑えられるが、政府、民間からの資金と人材を集めにくい各国の政治情勢が影響し成功率を下げているといいます。

月面へのミッションは依然として困難で危険であり、特に月面ミッションは成功率が約50%となっています。
これまでに月面への「ソフトランディング」(着陸時に探査機が生き残る)を成功させたのは、ロシア、アメリカ、中国、そして最近になってインド、日本の5カ国だけです。

他の国々も、フライバイ、オービター、衝突(意図的なものもそうでないものも)などで一定の成功を収めています。


しかし、ロシアのルナ25号など、最近ではいくつかの高プロファイルな失敗もありました。
これらの失敗は、資源が限られ、緊張が高まっている現在のロシアの状況など、各国の政治情勢による影響を受けている可能性があります。

 

現在の世界情勢では、各国がナショナリズムを掲げ、自国優先主義が広まっています。

月面探査がますます活発化する中で、成功率が低いにもかかわらず、各国が独立して開発を進めている理由については、多くの人々が疑問を抱いています。

 

一方で、世界の大半の国々が宇宙条約を批准しています。

 

 

 

この条約は、月や他の天体の国家による所有を禁止しています。しかし、この点については、批准している国が少ないという事実と、法人や個人の所有を認める抜け穴が存在するという事実があります。これにより、いつでも力を持つ国は、この条約を脱退する可能性があります。

 

以上の観点から、月面探査の開発と宇宙条約の適用には、さまざまな課題が存在することがわかります。これらの課題を解決するためには、国際的な協力と理解が壁になるでしょう。

 

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