初稿:2023年9月9日

再稿:2023年12月24日

 

こんにちは、TARTです。

 

今日はバナメイエビの養殖についてシェアします。

 

 

 

バナメイエビは、食用として世界中で広く養殖されているクルマエビ科のエビで、東太平洋原産です。しかし、バナメイエビの養殖にはいくつかの課題があります。これには病気の感染、環境への影響、養殖場の設備や管理などが含まれます。

 

このブログでは、最新の情報や技術を通じてバナメイエビの養殖方法に焦点を当てます。

 

日本では、高価で有名な車海老と、量の多いブラックタイガーシュリンプが広く利用されています。しかし、ブラックタイガーシュリンプはかつてマングローブ林の伐採による環境汚染の問題に悩まされました。

 

80年代から90年代にかけての開発により、マングローブ林が伐採され、白点病などの伝染病が広まり、養殖池は汚染されました。

その後、比較的病原菌に強く、高密度で飼育できるバナメイエビが開発され、今では海老の代表的な品種となっています。

 

例えば、ブラックタイガー海老がヘクタールあたり5トンしか生産できないのに対して、バナメイエビは100トンもの生産が可能です。このため、多くの生産者がバナメイエビに移行しています。

 

バナメイエビの養殖は儲かる事業ですが、慎重な計画、適切な管理、最善のプラクティスの順守が必要です。

 

以下に、養殖を始めるためのステップバイステップのガイドを示します。

 

バナメイエビの養殖

 

【目次】

1.養殖池の取得

2.入池の準備

3.稚エビの入池

4。給餌と栄養

5.水質と病気の管理

6.収穫時期と方法

7.マーケティングと販売

8.市場価格の調査のバイヤーの確保

養殖には池が必要です。特に養殖池の取得なしには何も始まりません。
 

養殖池の取得

 

  1. 実現可能性の調査と用地の選択:
    • 選択した場所でのバナメイエビ養殖の実現可能性を評価します。
    • 水質、温度、塩分濃度、市場へのアクセスのしやすさ、適切な土地の利用可能性などの要素を考慮します。
    • 適切な水源にアクセスでき、エビの養殖に適した池の場所を選択します。
    • 必要な登録とライセンスを取得します。
  2. 養殖池サイトの準備:
    • 土地を整地し、エビの養殖用の池エリアを準備します。
    • 池の建設と設計を行い、効率的な水の循環と排水を確保します。
    • 粗放、部分集中、集中型に必要なインフラストラクチャー(給水、曝気システムなど)を整備します。
  3. 池の選定:

養殖池の入手について

潤沢な資金がある場合、または既に河口近隣の土地を所有している場合を除き、最も手っ取り早い養殖池の入手方法は、既存の池を購入することです。

当然のことながら、良い池を所有者が手放すことは稀です。売り出されている池には多かれ少なかれ何らかの欠陥がある可能性があることを認識すべきです。それでも敢えて購入を検討する場合は、ある程度の採算の見込みを立てて実施するのが良いと思います。

既存の養殖池を購入する際に、重要な視点として以下を考慮します。

  • 池を完全に排水でき、天日で乾燥できること。これは池の選択で最重要
  • 河川の近くで汽水が年中入水できること。できれば機械を使用せずとも
  • 周りに人家が近くにないこと。(生活汚水と養殖用入水が混合しないこと)

  • 電気と水道が利用可能なこと。発電機や井戸も可能ですが電気は必須です

  • 車両が入れる池が好ましいこと。(人力での運搬は非常に非効率餌の量は1500㎏以上/収穫1000㎏以上)

  • 購買市場に近いこと。(遠いほど輸送費が嵩み、まず採算が取れなくなります)

バナメイエビの養殖の過半数を占める重要なファクターです。これらなしに安定的な海老養殖の生産はありえません。

  1. スタッフと管理:
    • できれば経験豊富なスタッフを雇用し、養殖サイトの管理を行います。
    • 池の周りに住み込むことは避け、生活排水が池に流入する危険性があるため、通いスタッフが良いです。
    • 正直で優秀なスタッフの雇用はまず無理だと思ってください。なのであなたが殆どのエキスパートとなっている必要があります。
    • スタッフは、あくまであなたの代わりに手足を動かすという使い方がベストです。
    • 昼夜の監視が必要なのでできれば2名は雇える生産体制を組むべきです。
    • 年配者であれば特に、サイトでのワークは雨が降っても炎天下でも過酷なのでスタッフの雇用は不可欠です。
    • 相場は現時点でここフィリピンでは8000ペソ月+米25㎏
    • 収穫時に収益の8%のボーナスだとお互い気持ちよく働いてくれる待遇です。
    • 気に入れば子供の学費や、オートバイの提供など適宜してやれば餌や収穫物の盗難も少なく管理してくれるでしょう。

5.  餌: 

  •  餌は、フィリピンではTATEH社の飼料が大手です。首都圏近郊では1㎏あたり55ペソですが、別の島に行くと72ペソに上昇します。他にもBMEGもありますが、粗放と集中の生産体制に応じて適切に選択してください。 
  •  高品質な飼料を使用し、無駄に安価な飼料を選ばないようにします。 
  •  FACEBOOKのマーケットプレースで販売されている低品質な飼料は購入しないでください。結局のところ、生産量の減少、バナメイエビの肉質の劣化、異常な匂いがあり、何一つ良いことはありません。 
  • 机上で採算見込みを試算する際、餌のコストを過少評価しないようにしてください。

6.孵化場

  • 水産局に登録されて評判の良い孵化場での稚エビの購入をすべきです。

 

https://www.bfar.da.gov.ph/wp-content/uploads/2022/11/Registered-Farms-as-of-01-November-2022.pdf

  • 多少高くても安いものは買うべきではありません。
  • 通常の稚エビは0.10-0.12/PLで購入可能です

  • しかしブルーバナメイの稚エビは0.35/PLと高めですが、収穫期間が90日と短く通常のものより大型に育ちます。使える運営費に応じてこの選択は大いにアリと考えます。

  • 注意すべき点は通常のものと違いブルーバナメイエビはどこでもいつでもある稚エビではないのでこの稚エビの入手は孵化場が販売している地域に限られることになります。

7.試算の結果、採算が取れないようであれば、無理に海老養殖を続けずにあきらめましょう。 

  • 採算の計算方法は以下の通りです(1ヘクタール当たり):

PL(稚エビ)料金: 0.12-0.35/PL

飼料代: 55ペソ/kg

肥料代: 2,500ペソ/50kg

電気代: 15ペソ/kwh

燃料代: 65ペソ/l

人件費: 9,000ペソ*2

ボーナス: 8%

メンテナンス代: 20,000ペソ/harvest

詳細は別トピに記載します。

 

 

 

 

入池の準備:

稚エビの入池:

給餌と栄養:
水質と病気の管理:

マーケティングと販売:

養殖の採算面:

の詳細については、ナザレノ農園デジタルワークスのサイトで説明します。

 

TARTがお送りしました。