産婦人科医という命の入り口と遺品整理という命の出口が、入り口があれば出口もあるよというふうには簡単にはいきませんよ、ということに置き換えられているかのように思えた。確かに、入り口と出口はそんな表現のようにはうまくは結び着かない。所詮は、生と死である。
・・・万物に「始まり」があり、「終わり」があること?どんな形で「終わり」が来るとしても・・・限られた時間でも億万時間だとしても・・・伝えきれないことがある・・・想い、遺した品々に遺る。
積み上げた時間の地層?・・・一星(北村匠海)はそこに繊細である・・・彼はかつて両親を亡くした時に遺品整理会社社長(水野美紀)に教わったから。・・・わたしが今、ここに何故いられるかという意味?・・・何かで知ることがある。
・・・・・・それ故に我がある・・・・・・我思う、ゆえに我あり、だ。
埋もれた時間たち・・・・・・彼のマジックボックスが飛び出して来る
・・・・・おどけない道化師
・・・・・・ピエロって泣きながら笑ってる
・・・・・・笑いながら泣いている
・・・・・・双方を携えた表情・・・・・・だから、ピエロだ。
佐々木深夜(ディーン・フジオカ)は、妻と子供を出産時に亡くしている。そのきっかけで産婦人科医を志したようである。・・・・・・予期せぬ「終わり」・・・・・・赤ん坊誕生は、その子の「始まり」であり、夫婦の新しい日常の「始まり」だったはずなのに、何故?・・・・・・何故、「終わり」、なんだ。
彼は決意した・・・・・・敢えてそこから「始める」こと
・・・・・・それ故に我がある・・・・・・我思う、ゆえに我あり、だ。