『NICE FLIGHT!』は、フライト側と管制官・整備士といった空港で働く人々の「接点」を描く物語である。・・・曰く、同じ空を飛んでいる・・・この認識が御題目ではなく、真摯なものであることを追求したドラマであり・・・航空プロパカンダからは文字通り飛躍するドラマである。

 

毎回、登場人物の抱えるこれまでの人生?の「情報」が少しずつ小出しに皿に盛りつけられ、作中人物同様に観ている私達も、ふむふむそういうことがあったのか?なるほどね、だからそうなんだと納得出来る理詰めの手腕は脚本家・衛藤凛の巧みさに相違ない。上手いな、と思う。

さて、今回は各面々が海に集うサマーヴァケーションのお寛ぎタイムなのだが、往々にしてこういった回は、只のダレ場に終始するのであるが、なかなか今後深く刺していくことの序盤のような展開になっている。

 

CA/理香子(黒川智花)の整備士・ジェームス(尾上右近)への想いがなかなか通じないもどかしさと、そのCA服へのかつての熱い想いが揺らぐのを、旧友の真夢(中村アン)が受け止めてあげるところなど、平服で過ごす海岸の寛ぎだからこそ、今その場所ではみえないCA服を幻視しあうかのように思えるのだ。そこにないものだけど普段は確かにある時間を背負いながら、また受け取る真夢もそのCA服を愛でているかのように思えるのだ。背負った時間のかけがえのなさを讃えているのだと思う。また、その真夢は、今回今までと全く違った表情を見せる、いや魅せることになる。海岸のチャラい二人組に絡まれるや、コーパイ・粋(玉森裕太)が彼氏のフリをして彼女の危機を救うことになる。次の真夢と粋がバードウオッチングする場面のナチャラルな笑顔が素晴らしい。それが素晴らしいのは、今まで彼女はそのような表情をすることがなかったからだ。・・・これまで背負った枷のような時間を脇に置いたかのようにみえる表情である。・・・理香子が語った言葉?・・・真夢は東京に行ったことがある・・・離れていた母親を訪ねに?・・・しばらくして青森にまた戻ったら・・・笑わなくなった、と。

 

粋と真夢は同じ視線の方向を共有し始めた。しかし、彼は彼女の背中に積もった時間を未だ知らない・・・背中に手を回す必要がある?・・・その時間の枷を解く為に。