・・・・・・ふたりは、紙の上で会っている

 

・・・過去・現在を越えて・・・未来は?

 

・・・わからない・・・彼らを取り囲む者たち・・・漫画編集者の岡野(池内博之)・・・あるいは、みひろ(山口まゆ)・・・夜光の虫が灯りに群がるように・・・嫉妬を糧にしながら・・・その場所に更に嫉妬を重ねる・・・夜も昼も・・・いや、昼の時間を嫌いながら・・・紙面の糊の匂いに恋するなんて・・・重い・・・本当に重い・・・この嫉妬・・・その場所に入り込めないなんて・・・羨望を通りこす・・・憎悪?・・・未来はそこか?

 

・・・・・忍(山口紗弥加)もそうだったように・・・岡野との情事を紙面に刻みながら・・・刻むことでしか・・・わたしが私でないように・・・千秋(板垣 李光人)もそうした・・・あの過去の続き・・・残骸を集めることで・・・死骸になるのを免れる?・・・そういう生き方もある・・・刻むことで痛いな、と思えること・・・生きてるということ、だ。

 

夜に閉ざされたというより・・・夜でわたしを蓋する私・・・忍もそうだったように・・・千秋もそこに来る・・・終わらない、な・・・残骸の反復が・・・未来もまた・・・夜で蓋をすることになるのか?・・・ノイズ・ノイズ・・・消えた・・・消えた?・・・いや、聞こえなくなっただけ、だ・・・ふたりとも深い傷・・・深傷の朦朧・・・夜に浸かった・・・狭い場所が好き・・・仄かな灯り・・・紙面に居るわたしとあなた・・・抜け出して夜の視線の一致・・・眼をあわせるのはあなたの顔・・・夜光の虫たちも追ってこれない・・・いま・このとき。

 

・・・こんなことをしていても仕方ないな、と思うことはある・・・でも、そうするしかないないのでは?と思ってみたりもする・・・そうなのだ、と・・・過去・・・現在・・・未来・・・紙面の上で絡み合う・・・報われぬ情念・・・それを紙に刻み続けること・・・深傷になることが・・・仕事になった

 

・・・あなたとわたし・・・どこまでも・・・いつまでも。