・・・・・・光君(千葉雄大)は、食品サンプルなんだよ。
前回、沙織(伊藤沙莉)の何んとも例えようもない呟きが、効いて来る。
タイムスリップ&次元スリップ。時間だけでなく、彼はフィクションの
人である。
プールパーティに集まる人々の距離を狭めた、寛ぎが横に広がる。
居心地よくみえるゆったりとした横の連なり。手前で別会話が繰り広げられるものの、
実は全くなじまない沙織の虚しさ。その両者の重ね合わせがいい。
同じ、時間と場所なのに、異なる居心地が平行しているのだ。
・・・・・・これも、一種のパラレルワールドチックなこと?
今回も和歌詠みが、縦の短冊のように流麗に流れる。
実存の紫式部と、その産物のフィクション・光君と中将(桐山漣)。
・・・・・・不意に現れる、外人・科学者フィリップ(厚切りジェイソン)!
何やら、平安の二人は、エイリアンと思われ、組織に追われているとのこと。
薄暗い地下室、まぁ、秘密研究室?
俄かに、画面は揺れ、手前でフィリップと沙織の切迫したやり取り。
画面の奥では、光君と中将のお気楽な戯れ。
・・・・・・フィクションと現実は、双方根拠と保証なく平行する世界?
急転と長閑さが、重ね合わさっているのが、可笑しい。
科学用語(多元的宇宙論・時空ジャンプ)と和歌詠み
(パフェ食べたい)が、それぞれ<横>と<縦>の画面アクションで
重層化される。
・・・・・・フィクションが戻る場所とは絵巻物か?紫式部直筆の書面か?
ジャックリヴェットの『セリーヌとジュリーは舟でゆく』のようなものも考えてしまったが、
ウェルメイドのアメリカ映画になりそうである。