「赤」についての執着と嫌悪。本気になりかける「偽装の愛」と隠せない「憎悪」?
まぁ、誰もが、ヒッチコック映画を連想することだろう。色についての確執、それは例えば『マーニー』や『白い恐怖』であるし、「偽装」と不可避の「愛憎」と言えば、『めまい』もそうだ。それでも、心理面についての描写が少なく、モノローグ的な心情吐露が多いのはTVドラマだから仕方ないのか。七桜(浜辺美波)は表情で芝居がある程度出来るのであり。、また人形然とした顔に時折心理の歪みが表出することがあるので、心情吐露セリフをもう少し省くのもありかと思う。しかし、ひょつとしたら、この七桜の内面心情吐露の連続と、それを受ける椿(横浜流星)の剣のある表情と歪みのコントラストは独特のリズムを作るかもしれない。
・・・・・・・・七桜が「さくら」だと何処でバレるか?
光月庵の秘密?15年前の殺人の真相?母親の無実の証明?・・・七桜の探索が始まる。店の人間関係は固く錠前がかけられている。真相を外に求める、七桜。お得意様顧客から情報収集を企む。呉服屋・白藤屋は、長い取引先。架空の発注の「偽装」。何か訊けるか?特注の白い菓子・・・箱を開けると赤い色・・・誰が?・・・女将(観月ありさ)か?・・「赤」の呪縛?・・・「赤」に怯む七桜。・・・何かが七桜を阻む。・・・女将の詰り・・・池に落ちた持参物・・・椿が池に足で浸りそれを拾う。
門を閉じ、秘密、陰惨、因習、愛憎、すべて封じる伝統の店。・・・魑魅魍魎の面々?誰が敵で誰が味方か?誰と誰が話しているのを、誰かがみている?定番のルーティンワークではあるが、内と外の空気の落差が入り混じり、不思議な虚実を思う。・・・帽子を被る見知らぬ男(山崎育三郎)は誰か?先週は番傘をさしていた。伝統という名の持つ、華美と露骨な陰惨な世界の閉じ方に、帽子・番傘が空洞を開けにかかるようにみえるのではないだろうか?でも、七桜は白藤屋への侘びの品・最中を持参するのに、自信の自作ではなく、従来の伝統作の方を選ぶ。この決意。伝統の酸いも甘いもどころか、華美も陰惨も受け止めるアクションではないだろうか?そこに潔さがある。大旦那(佐野史郎)の感情の起伏が彼女を締めあげる。老舗の「赤」い血?椿は汚れた血の子?認めない、許さない。老醜が「赤」い血で老舗に錠前をかける。・・・・・・・・椿はしみじみと語った。幼い「さくら」のこと。唯一の明るい想い出。出口のないこの家で。・・・では、「さくら」が再び現れたら?「消えてもらうよ、俺の前から永遠に。」
「赤」についての執着と嫌悪。本気になりかける「偽装の愛」と隠せない「憎悪」?
反時代的な劇画ドラマは、70年代のそれに近い。しかし、何処か新しい。
そこをこれから考えてみたいと思うのである。
