休日は夫が家にいるのがイヤで
私はよく一人で映画を観に出掛けていた。
一人で観に来ている人は
男女年齢問わず以外と多い
よく見かける人もいる。
その日は連休最終日の雨の日
ということもあって比較的混んでいた。
『隣に人が居ても仕方ないか…』
そう思いながら私は
自分の座席を見つけると
隣はやっぱり見たことのある、
多分いつも一人で来る男の人がいた。
年頃は私と同じくらいだろうか、
別に好みということはないが、
涼しげな目元が印象的な
優しい顔だちの
嫌みのない感じが私を安心させてくれた。
『この人の隣だったらまぁいいかな』
なんて思いながら
少し会釈をして席に着いた。
そして時間がたつごとに
不思議な感覚が私を包んでいった。
『何だろう…?この感じって…』
心地良いのだ。
その人の隣にいることが…
とても心地良いのだ。
その人が動く時に少し触れ合う肩
深い吐息 抑えた笑い声
それらすべてにときめいている自分がいた。
『この映画が終わると
この心地良い時間も終わるのね…』
そんなことを考えたりしていた。
エンドロールが始まり
人が席を立ち始めた騒めきの中で
私は、
一番最後に部屋を出ようと決めていた。
そして気がつくと彼と二人になっていた。