アメリカン・スリープオーバーを観ました!
原題『アメリカのお泊り会の神話』なんのこっちゃ?ってカンジですね
個人的には今年の10本には入る『イット・フォローズ』のデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督のデビュー作です✌️
イット・フォローズと合わせての感想になるので、読みづらくなると思いますが…。フォローして下さい
セックスを媒介し、ひたすら追ってくるイット(ピエロじゃないよ)❗️捕まると必ず死ぬ
セックスをすれば他人にイットを移せる❗️タランティーノの絶賛
新感覚ホラー
って事でキャビン・フィーバーみたいな血がビュービュー出て、エロい女の子がとんでもない目に合う、馬鹿ホラーだと思ったんですが…。
初見ではなんか説明しづらいけど、スゴいモノ観た!(全く血まみれホラーじゃなかった)ってカンジで。どういう事だったんだと考える日々が始まりました→そこらへんが、アメリカでクチコミで大ヒットになった要因でしょうね。観たら、絶対、考えたり、人と話したくなるもん
それから監督のインタビューを読み、困った時の町山智浩、映画ムダ話(有料コンテンツ)を聞き。よし、分かったby加藤武ってカンジで、アル中のヤツらが言う所の、頭脳明晰な一瞬が俺を襲ったわけです✌️
そして答え合わせ的に観た二回目で『これは大傑作だ❗️』って思ったのでした→やや反則気味
前置きが長くなりました。
で、アメリカン・スリープオーバーの話です。
デトロイト郊外(イット・フォローズと同じ舞台)の夏の一夜、お泊り会での少年、少女の一瞬のスケッチ。
スーパーで会った娘を、一晩中探す少年とその親友、双子とニートの『あたし達のどっちが好きなの?』問題、参加したお泊り会で先輩がカレシの元カノだって知ってしまう女の子、なんとなく居場所が見つけられない女の子二人。
アメリカン・グラフティやバット・チューニングみたいな、青春一晩モノなんですが、印象は全く違います。
前二本がこれから、この先に対して、前向きに終わるのに、スリープオーバーはどこか曖昧かつクールに描かれます。
人間は死ぬ為に産まれてきたんだ!だからカルペ・ディアム!いまを生きる。みんな机に乗ろうぜ❗️的なカンジはナッシング!
緩慢な死を受け入れる様な甘美さがあります(試写の感想で『最後にみんな死ぬと思った』ってのが有り、その感想をきっかけにイット・フォローズを作ったそうです
)
監督自身がベストと語る映画『卒業』の台詞『何になりたいかって?あなた達みたいなプラスチック(作り物)にはなりたくないんだ。』、スリープオーバーでも年長の男の子が女の子に『君は早く大人になりたいからって色々な事をすると思うが、このままでいいんだ。無理に大人になろうとすると、本当に大事なものを失ってしまうんだ。』ここから読み取れる様に、子供と大人の間の一瞬を非常に瑞々しい感覚で描いた映画なんです。
アメリカン・スリープオーバーやイット・フォローズにはプールや池が非常に大事なモチーフで出てきます。大人になる事を拒み、羊水の中の胎児みたいにプールに浸かる卒業のベンを考えると、何を表してるか、分かりやすいですね(受け売りです
)
みんなセックスの事を考えて、一晩中ハングアウトしてるのに、誰もしない→やっと一目惚れの娘を見つけた男の子が、女の子の腕のある物を見ちゃうのと、男の子の親友が一人ぼっちの女の子に誘われた時の返答。号泣メ〜ンですよ❗️
イット・フォローズはアメリカン・スリープオーバーでは描かれなかったその先。つまり、子供と大人の境界線を大人の方向に歩いて行く、少年、少女のホラーの形を借りた寓話なんです。(アメリカン・スリープオーバーは境界線で止まったり、動かない少年、少女の話。最後に方向だけが大人に向くカンジですかね)
だからセックスして見える様になったイットの正体がアレなワケだし→それとかアレとかゴメンなさい
唯一、対抗出来るのが愛って事になるんです!(初見時から、ちょっと甘いかなぁとは思ってますが)文字通り、死が二人を分かつまでですね
お泊り会が終わった翌日(いきなり、アメリカン・スリープオーバーに戻ります)、トラックの荷台に乗る二人の少女。劇中の流れてる音楽が止まり、二人の少女の表情。エンドクレジット。まんま卒業です。サウンド・オブ・サイレンスの中、バスに乗った二人。昂揚感溢れる二人の顔が、音楽が止まった時に無表情になります。
その一瞬に境界線から大人になる事。つまり緩慢な死へのカウントダウンが始まったのです。
イット・フォローズの少女の様に。
なんかホラー映画みたいな感想になりましたが、若気のいたりな『はなればなれに』オマージュがあったり、こういうのある、こういうヤツいる!こいつらにまた会いたいって思わせてくれる、甘酸っぱっ爽やかな青春映画の大傑作です❗️
