・「未来志向型の取引慣行に向けて」の推進
日本経済の屋台骨を支える中小・小規模事業者をはじめ、経営者、従業員の皆様が、これまでの取引適正化に係る取組の成果を実感していただけるよう、取引先との取引条件の改善等を通じて、親事業者下請等中小事業者の双方が、「共存共栄」できる関係を構築していくことが重要です。
経済産業省では、既存の重点3課題の深堀とともに、新たに「知財・ノウハウの保護」と、「働き方改革に伴うしわ寄せ防止」を追加し、下記の取引適正化重点5課題として具体的な取組を進めています。



③支払条件の改善」については、昨年7月に立ち上げた「約束手形をはじめとする支払条件の改善に向けた検討会」での議論を踏まえ、「支払サイトの短縮化」などを盛り込んだ手形通達の改正と下請振興法に基づく「振興基準」への反映を本年3月に行いました。

さらに、昨年12月の成長戦略実行計画も踏まえ、産業界・金融界による「約束手形の利用の廃止に向けた自主行動計画」の策定・改定を促進します。
 

④知的財産・ノウハウの保護」については、昨年7月に「知的財産取引検討会」を立ち上げ、大企業・中小企業・有識者による問題事例の洗い出しを行い、知的財産取引に関するガイドライン契約書のひな形を作成しました。また、本年3月にその内容を下請振興法に基づく「振興基準」にも位置づけており、今後、これらの定着を通じた知的財産取引の適正化に向けて取組んでいきます。

さらに、主要産業界に対しては「自主行動計画」の策定を要請し、業界ごとに不要な金型の廃棄・返却による型管理の適正化や、親事業者と下請中小事業者の協議に基づいた適正な取引価格の決定等も促進します。


・下請Gメンによる取組


また、業所管省庁担当部局に対し、問題事例優良事例を共有するとともに、業界団体のイベント等で改善への働きかけや指導を行うよう依頼しています。
下請代金法に違反した事案に対しては、公正取引委員会とともに立入検査改善指導等に取り組んでいます。また、悪質な事例を整理・周知することで、発注側事業者の危機意識を向上させ、問題事例の未然防止を図っています。

 


下請代金支払遅延等防止法(通称、下請法)は、下請取引の公正化と下請事業者の利益保護を目的とした法律であり、親事業者には、下記の4つの義務が課されています。

書面の交付義務・・・発注の際は、直ちに3条書面を交付すること。

支払期日を定める義務・・・下請代金の支払期日を給付の受領後60日以内に定めること。

書類の作成、保存の義務・・・下請取引の内容を記載した書類を作成し、2年間保存すること。

遅延利息の支払義務・・・支払が遅延した場合は遅延利息を支払うこと。


※書面の交付義務とは、親事業者が口頭で発注することで、後々「言った、言わない」のトラブルになることを防止するもので、親事業者に対して、下請取引において発注の都度下請代金の額支払期日物品等を受領する期日等の取引内容を記載した発注書面を、下請事業者に対して直ちに交付することを義務づけるものです。違反すると、50万円以下の罰金が科されることになります。

 


また、下請法では、親事業者に下記の11項目の禁止事項が課せられています。
下請事業者の了解を得ていた若しくは、親事業者に違法性の意識がなくても、規定に触れるときには、下請法に違反することになる可能性があるので注意が必要です。

受領拒否(第1項第1号)・・・注文した物品等の受領を拒むこと。

下請代金の支払遅延(第1項第2号)・・・下請代金を受領後60日以内に定められた支払期日までに支払わないこと。

下請代金の減額(第1項第3号)・・・あらかじめ定めた下請代金を減額すること。

返品(第1項第4号)・・・受け取った物を返品すること。

買いたたき(第1項第5号)・・・類似品等の価格又は市価に比べて著しく低い下請代金を不当に定めること。

購入、利用強制(第1項第6号)・・・親事業者が指定する物・役務を強制的に購入・利用させること。

報復措置(第1項第7号)・・・下請事業者が親事業者の不公平な行為を公正取引委員会又は中小企業庁に知らせたことを理由としてその下請事業者に対して、取引数量の削減・取引停止等の不利益な取扱いをすること。

有償支給原材料等の対価の早期決済(第2項第1号)・・・有償で支給した原材料等の対価を、当該原材料等を用いた給付に係る下請代金の支払期日より早い時期に相殺したり支払わせたりすること。

割引困難な手形の交付(第2項第2号)・・・一般の金融機関で割引を受けることが困難であると認められる手形を交付すること。

不当な経済上の利益の提供要請(第2項第3号)・・・下請事業者から金銭、労務の提供等をさせること。

不当な給付内容の変更及び不当なやり直し(第2項第4号)・・・費用を負担せずに注文内容を変更し、又は受領後にやり直しをさせること。

 

 

未来志向型の取引慣行に向けて【取引適正化】について、宗清皇一チャンネル(YouTube)にて動画を配信しております。

ご興味のある方は、下記のリンクよりご視聴くだされば幸いです。

・取引条件の改善に向けた取組についての動画①

・取引条件の改善に向けた取組についての動画②

 

 

皆様の日々の事業の中で、取引の問題などございましたら各機関まで、いつでも御相談ください。

・近畿経済産業局 産業部 中小企業課 下請取引適正化推進室

 06-6966-6037

・公正取引委員会 近畿中国四国事務所 下請課

 06-6941-2176

・下請かけこみ寺

 0120-418-618