昨日は総務委員会で質問の機会を頂き、以下4点について野田総務大臣等に質問をさせて頂きました。大臣等の答弁も入れて30分しかありませんので、十分な議論ができたとは思えませんが、事前の調整も含めてしっかりと問題提起は出来たと考えています。

 

以下に質問の要約を載せておきます。答弁を含めて詳しくは衆議院インターネット審議中継(http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48106&media_type=fp)をご覧頂ければ幸いです。

 

 

 

【Q1】自治体のコストの見える化について

 

自分の住んでいる自治体に住民税や固定資産税を支払っているが、収めた税金が「どこに」、「どれくらい」使われているのか殆どの住民は知らない。

 

地方議員を経験した私も実際のところ、1つ1つ、その都度、役所に聞かないとわからないのが現状。役所の担当者に聞いてもわかっていないときがあるくらい。

 

多くの自治体で起債の残高が紹介されている。例えば、東大阪市では平成28年度の決算額は1,897億円の借金、市民一人当たり、38.4万円。こういった数字はどこの市のホームページにも書いてある。こういった数字だけが周知され、「行政や議会が市民に大きな借金を押し付けている」「行政は無駄遣いばかりしている」というイメージになっている。一方で、複数の自治体のホームページを見ても、住民一人当たりの借金額は書いてあるが、資産や資産の経年変化をしるした資料を見つけることはできない。

 

提案ですが、どこに、いつ、どれくらいの税金が使われているのかを正確に住民に示す。コストの見える化を徹底できれば、住民の意識は変わってくると思う。きちんと使われていることが理解出来れば、地域社会に対する考え方が変わるのではないかと考える。同時に、世代間の負担の不公平感の問題、なぜこんなに借金があるのか、給付と負担の公平性というものも見えてくる。

 

この3月で地方自治体の統一的な会計基準が出来た。まさしく統一した会計基準を作るのが目的ではなくて、活用することが目的。

 

大臣自らが先頭に立って、素晴らしい先行事例もあるようですが、総務省で例示みたいなものを作って各都道府県や市町村に住民のもっとわかりやすい行政コストの見える化を推進できるように取り組んで頂きたい。

 

 

【Q2】今後の地方自治体、地方議員のなり手不足について

 

最近は地方議会のなり手不足について、各党各会派でご議論が進んでいる。私も地方議員出身なので地方議員のなり手不足という問題に大きな関心をもっており、各党各会派が地方議会や地方議員の役割や処遇についても、高い関心を持ってご議論をして頂いていることを本当に嬉しく思うが、かといって厚生年金に入れるような措置をしても、地方議員のなり手不足の根本的な解決には至らないと感じている。

 

理由は、そもそも、東京都や極一部の自治体以外、ほとんどの自治体は急速に人口減少と高齢化が進んでおり、最も高齢化が進む2040年、そんなに遠くない未来に、800以上の地方自治体が人口減少によって消滅すると言われている。これは、高齢化と人口減少が原因で自治体としてやっていけなくなるのではないかと言われている。

 

地方議員の「なり手不足」という問題は、全国の地方自治体が今後将来にわたって存続できるのかという本当に大きな問題であって、大きな視点で議論していくべき。そして、地方の役所や議会の機能低下というのは住民生活に大きな悪影響を及す。例えば、医療や介護、教育、保育、更には、公共事業、更に、全ての業種、林業も漁業、農業も全て人手不足になるため様々な行政が関わるサービスが出来なくなる可能性がある。

 

今から、かなり思い切った政策をやっていかないと本当に手遅れになる。こういった問題に対する現状認識と今後の対策等について伺う。

 

  

Q3】ふるさと納税の改善について

 

ふるさと納税制度は、ふるさとや応援したい地方団体の様々な取組を応援する気持ちを形にする取組として作られた制度。制度そのものの趣旨には大いに賛同。

 

ふるさと納税の返礼品については、以前に総務大臣通知で寄付額の3割程度までとし、良識ある対応を要請し、ほとんどの自治体で改善しているとお聞きしていますが、高額な公益性もないような、カタログギフトショッピングのような返礼品をやっている自治体はいまだにあるのか。

 

【再Q】

 

ほとんどの自治体が大臣の通知の趣旨、ふるさと納税の趣旨、目的をよく理解して、方針転換は苦しいけれども常識ある対応をしていただいている。

 

一方で、平成28年度の総務省の資料では、大阪府泉佐野市では市税等の収入が約580億円、このうち、ふるさと納税の寄付額が約35億円で6%強と聞いている。泉佐野市の財政課に確認したところ、平成29年度は約135億円、前年の約4倍、歳入の約2割強とのこと。そして、その寄付金を集めるために、経費を入れると約7割を返礼品に使っているとのこと。泉佐野市がこういう実態なので、近隣市も相当な返礼品をしておりまして、近隣市は換金できるだろうと思われる旅行券を返礼品に出していると聞いている。もちろん、寄付額も多い。

 

泉佐野市のように、公然と度が過ぎた返礼品をいまでもやっている自治体を放置すれば、通達を守って方針を転換した自治体、まじめにやっている自治体が馬鹿を見ることになる。

 

そして、自治体の支出、これは原資が税金ですから、その支出には「公益性」が伴うものでなければ、住民訴訟の対象になる可能性があると考えますが、地方財政法、地方自治法上から考えても、これからの度を超えた返礼品は問題であると、総務省としてはっきり見解を示すべきだと考えるがどうか。

 

そして、是が非でも、是正させるべきだと思うが見解をお聞きしたい。

 

 

【Q4】地方公共団体の職員の働き方改革について

 

私が問題だと思っているのは、自治体によっては、人員削減によって、人が足りないことが原因で、残業が続いて、健康状態も悪く、過労死するのではないかと心配するような職員も見てきた。そんな状況にも関わらず、働き方改革で残業時間を減らさなければならない。上司から早く帰れ、残業をするなといわれても、人は減っても、仕事が減らないので、①仕事をほったらかす、②家に持ち帰って仕事をする、③休日に出勤していないような形をとって、実際には休日出勤して仕事をする、④4タイムカードを押し帰ったことにして、実は部屋に残って残業する等しかない。これは、国の役所も同じだとおもう。

 

確認するが、全国の自治体の「労働の実態」、100時間をこえるような長時間労働があるのか。違法と言えるような過重労働はあるのか。

 

【再Q】

 

先ほどの調査にあるような月に80時間、100時間を超えるような残業をやらしている自治体はもっとあると思う。

 

そして、この調査が実態をどれだけ正確に取られているか甚だ疑問。この調査はタイムカードやICカード等により客観的な記録だけではなく、職員からの申告による調査が半分以上を占めている。実態を正確に把握するのであれば、PCのログイン、ログアウトや入退庁の徹底管理をしない限り真実はわからない。

 

今後は徹底してこういったやり方で調べて頂くことをお願いしておく。サービス残業はもちろん、これは、ないことになっているとおもうが、各地方自治体でサービス残業のような違法行為はあると考えているのか。また、地方公務員にサービス残業させること、または自発的にサービス残業することは違法になるのか。この場合誰が違法にとわれるのか。

 

先ほど、指摘したような調査を徹底すれば、サービス残業もなくなっていくと思う。きちんと調査し、適正な環境が生まれることをお願いしておく。

 

 

【Q5】精神疾患の調査と長期病休者の数について

 

近年になって地方公務員で精神疾患が増えているときいているが現状はどうなっているのか。また、地方公務員といっても、都道府県や市町村等の一般行政職だけでなく、消防、警察、教職員など、精神疾患等が原因で休職している職員の数は把握されているのか。

 

【再Q】

 

精神疾患はこの10年で1.4倍、1515年前の3倍に増えている。一般行政職員が74.5万人で、なんと9,974任、約1万人の地方公務員が長期病休者。本当にもったいない。優秀な公務員のマンパワーを活かしきれていないのは、税金が有効に使われていないという見方もできる。

 

なぜ、精神疾患が増えてきたのか、調査や分析はしているのか。そして、改善のための対策はどうするつもりなのか。 

 

そして、教職員の精神疾患による病気休職者数はここ数年で5000人前後。これも深刻な問題。

 

精神疾患が増えている原因は長時間労働も関係しているのではないかと考えている。そして、行き過ぎた公務員バッシングも原因になっているのではないか。

 

公務員の皆様は一生懸命働いても、なかなか国民の皆様から評価されなくて、批判にさらされることも多い。

 

公務員の給与や退職金のカット、また、退職後の就職にも厳しい制限をかけられることだってある。これで、いきいきと公共の精神をもって働いてほしいと言えない。優秀な公務員が、持っている全ての能力を存分に発揮して頂くことが、国、地方の発展、そして、国民の幸せにつながると信じている。