11月9日 視察先   デービス市・ビレッジホーム

同市は人口6万人の比較的小さな町であるが行政と市民が一体になってソフトエネルギーの活用、エコロジカルな都市計画に実施により世界的に注目を集めています。
視察先は同市のビレッジホームという町を訪問、ジェリーアイグレズウッド氏(町の運営委員)に丁重なるレクチャーを受けた次第であります。117世帯の小さな町であるが、徹底してエコタウンの実践に取り組んでいる。
 
まず驚いたのは町の中に入ればメインストリート以外は全て行き止まり、自動車で侵入できる道路はわずかに4本だけである。
自宅には侵入できるが、家と家の移動は行き止まりばかりなので自動車の通行が困難であり、歩行もしくは自転車での移動となります。
しかし町のいたるところに遊歩道が設置されており、街中を移動するのに不便さはありません。

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町の運営は完全な自治であり、選挙で運営委員(任期2年)を選ぶ仕組みになっています。 
この町はマイケル・コルベット氏の発案で30年前に開発された町であり、面積535ヘクタールに小さな町でありますが、面積の約半分を私有地(家の敷地)、道路面積として13%、残りの40%を公共のスペース(オープンスペース)として利用し、本当に広々とし空間で、ゆっくり時間が流れるようなのどかな町であります。

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町全体が緑に囲まれており、90種類以上の樹木を植えています。歩道部分にハーフ、オレンジ、レモンの木があり、大きなブドウ畑に家庭菜園、芝生や花壇、本当に羨ましくなる光景であります。

全てに家は南側に大きな窓を設置、冬暖かく、夏を涼しい構造 全てに家にソーラーパネル等のエコに対する工夫がなされ、豊富な木を剪定し、その枝で暖炉やストーブを焚いているそうです。

住民各自が環境に対する意識の高く徹底したエコタウンの実践がなされています。
科学的な便利さは無く、決して合理的な生活とは言えないかもしれませんが、住民にとっての幸福度高い町でように思われました。
沢山の子供達の姿も見えましたが、住民が好んでこの町に住み、またそこで育った子供が、現在そこで子育てをしています。
人々の豊かな人情と固い絆があり、ゆっくりとした幸福なる時間が流れているような町であります。

行政が街づくりを考える時、その基準となる規則等を定めるのは当然のことでありますが、この町のように完全に自治を与えるのも1つの選択であります。
自分たちの町は自分たちで作る、そんな自覚があればいちいち行政が口出ししなくても住民はそれなりにルールを作り、守るものであります。

むしろ自分たちで作ったルールーでないから守らなかったり、拡大解釈をして他人に迷惑をかける事もあるのかもしれません。
このことは日本の地方自治も同じことであります。

都会は都会、地方は地方、それぞれの特徴を活かした街づくりが必要ですが、国が画一的に全ての設置基準を決めるのではなく、地方の条例が法律の範囲内で住民のニーズを優先すべきであります。
そのためには地方議会ももっと自らの責任を自覚すべきだと考えます。