府立成人病センターの大手前地区への移転建替えについて

【宗清】
今議会に森之宮の府立成人病センターの大手前地区への移転建替えについての関連の予算1億6300万円が計上されている。昨年9月議会で、我が会派からの意見開陳として「森之宮地区の持っているポテンシャルを最大限活かすような具体策を検討すべき」「森之宮地区の活性化が図られるよう、跡地利用計画については今年度末までに策定されない場合は、大手前への移転は再検討を求める場合がある」と申し述べた。今年度末までに、地元が納得のいく跡地の利用計画は策定される見込みなのか。

【理事者】
本年1月に、経済界や大阪市、医療関係者などからなる検討会において、まちづくり素案としてとりまとめ、この素案に基づき22年3月末までに、最終的な案としてとりまとめを行う。

【宗清】
今まで、数ヶ月経っても出来ていないのに、残り半月で今以上の案が作れるのか。出来ない場合は誰が責任を取るのですか。出来ない場合は大手前への移転は白紙にするのですか。

【理事者】
22年度末までに具体案を策定する。

【宗清】
1月に示された「まちづくり素案」を見る限り、地区のポテンシャルを「最大限に活かす」ことが出来るような、具体の施設内容も、設置の時期も示されていない。地元経済との関係などからみても、メデイカルモールやスポーツジム等、全く説得力がない。「ポテンシャルを最大限に活かす」ということをどのように考えているのか。

【理事者】
成人病センター跡地はJR、大阪地下鉄の森ノ宮駅に近接しているなどの交通の便に優れた地域である。居住者の日常生活に欠かせない地域医療機関や、交通の利便性を活かした健康・福祉分野の大学、学部などの教育機関を中核施設として、商業施設、保育施設など生活利便施設の充実を図ることで、多様な世代が集まる魅力的なまちづくりを目指す。

【宗清】
成人病センターという地区の中核施設が移転してしまうことは、地域の生活、経済に多大な影響を及ぼす。府の施設を移転させる以上、地元が納得できるような跡地の利用計画をセットで示すのは大阪府の責任。中核である成人病センターを移転させ、そこに新たな病院等の機能を導入して、再び健康医療のエリアをつくるなどということはナンセンスである。しかも現地立替よりも40億円費用が多い。大切なことは大阪市東部地区にどのような施設を持ってくれば良いのかという市内全体の問題と、もう1つは、地元が納得いく「まちづくり」をするためにきちんと調整をするという2つの作業が必要。移転後、旧病院を解体して、新しいまちづくりが出来るまで2?3年は必用。その間、地元が疲弊するような案では絶対に納得してもらえない。例えば、健康科学センターや森之宮クリニックをあわせて移転させ、白紙に戻して計画を再検討すべきではないか。

【理事者】
先進医療の拠点ではなく、地域に根ざした身近な診療施設等を想定している。来年度は事業の実施可能性調査などを行い核となる施設の絞込みなどを含め具体的な内容を盛り込んだ土地利用計画を策定する。またその際、地元関係者などの意見を十分に伺いながらまちづくりを進めていく。

【宗清】
移転検討の際に十分に議論すべきであった。なぜ病院の移転だけ拙速に移転を決めて、後で議論するのか。大阪市との連携もできていないし、府は健康医療部中心で検討している。健康科学センターや森之宮クリニックを残しているため、医療のイメージを大胆に塗り替える新たな発想が生まれにくい。成人病センター跡地を含む大手前・森之宮地区のまちづくりについて、現在の検討体制を見直すべきではないか。

【理事者】
これまで、大阪府、大阪市、経済団体、さらにはまちづくりのノウハウもつ都市再生機構や医療関係者が共に検討を重ね、素案としてとりとめた。今後、この素案に基づき、跡地における土地利用や導入施設など具体的な段階に入ることから、森之宮健康ゾーンとしての考え方を引継ぎながら、健康医療部において検討を進めるが、総務部としても連携していく。

【宗清】
誰も責任を持たない体制を見直すべき。今まで行政で考えたまちづくりは全てと言っていいほど失敗している。府も市も「まちづくり」いつも過大に積算をして、後世にツケをまわしている。このままでは「大手前」「森之宮」「湾岸エリア」も全て中途半端になる。