「特別減債基金」設置の件(1)

我々の代表質問を通じて、年度ごとの「臨時財政対策債(注釈①)」等の償還額と、地方交付税の元となる基準財政需要額への算入額に差があり、後年度になるほど大阪府が一般財源を持ち出さなければならないことが明らかになりました。

その持ち出し額は、平成34年度から55年度の22年間で約5100億円にのぼります。

これでは「収入の範囲で予算を組んでいる」と言えず、明らかに将来世代に負担を先送りしていると我々は考えています。

一方で現在は償還額より基準財政需要額への算入のほうが多く、平成20年度から平成23年度までの差額を合計すると、1253億円にのぼり、「財政調整基金(注釈②)」の残高とほぼ同じになります。

そのため、一般財源として使える「財政調整基金」ではなく、「特別減債基金(注釈③)」を新たに設置して、臨時財政対策債等の償還財源を別に積み立てるなど、償還財源の「見える化」をはかるために条例改正を提案いたしました。

結果的には我々の主張が全面的に受け入れられ、理事者側から減債基金を分離し借金の「見える化」(国の借金と府の借金の償還財源を分けること)するとの回答があったため条例は取り上げ致しました。

今後は今までに作食いしてきた2800億円の積み立て不足額の解消等について府議会で議論を深めていきたいと考えています。

注釈①
臨時財政対策債とは・・・地方債(借金)の一種。国の地方交付税特別会計の財源が不足し、地方交付税として交付するべき財源が不足した場合に、地方交付税の交付額を減らして、その穴埋めとして、該当する地方公共団体自らに地方債を発行させる制度。形式的には、その自治体が地方債を発行する形式をとるが、償還に要する費用は後年度の地方交付税で措置される。

注釈②
*財政調整基金とは・・・年度間の財源の不均衡をならすために積立金で、地方財政法で設置が義務づけられている基金です。(地方自治体の貯金のような基金)

注釈③
*減債基金とは・・・府債の償還財源を確保し、財政の健全な運営に資するための資金を積み立てることを目的に設置された基金。(地方自治体の借金返済のための基金)