平成21年は丑(うし)年ですが、「干支は丑・うし」という表現は正しくありません。
「干支(えと)」とは、正確には「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」の組み合わせです。

平成21年の場合、十干は「己(つちのと)」、十二支はご存知の「丑」なので、干支は「己丑(つちのと うし、き・ちゅう)」となります。

丑は干支では2番目にあたり、方位は北北東、時間で言うと現在の1時?3時までの間にあたります。干支の組み合わせでは下記のように26番目になります。ちなみに前回(昨年)は戊子であります。

丑(うし、ちゅう)とは曲がったものを伸ばそうとするありさま、又は芽が曲がったまま伸びようとするありさまを意味する。
また「始める、つかむ、結ぶ」という意味があり、糸をつけると紐(ひも)という字になります。

己(き、つちのと)己の字は三本の平行線を形取ったもので、そこから、条理が整然としている状態をあらわします。十干では、植物が充分生長し形が整然としている状態を表している。また己は「紀」や「起」の元であると言われております。

以上の事柄を整理いたしますと、己丑の年は出始めた新芽が曲がりながらも伸びようとする年、あるいは乱れた糸の端を整理し乱れを直す年でもあると言われております。

我が国の国政も衆参のねじれ、また昨年は福田元総理の電撃辞任など混迷をつづけておりますが、本年は衆議院選挙も必ず行われることから、政治の新芽を国民が育てて日本に活力を取り戻す年にしなければなりません。

60年前、前回の己丑の年は昭和24年でありました。その年の歴史を顧みますと、世界的には中華人民共和国の成立、国内では第24回総選挙、第3次吉田内閣発足等、戦後の混乱期の中で新しい力の台頭により、世の中の乱れに一定の整理がついた年であったと言えます。

また湯川秀樹氏がノーベル物理学賞を受賞されたのもこの年でありました。