尿中への糖分排泄を促すことで
糖尿病コントロールを行う新しいメカニズムの薬が先日発売されました。

作用メカニズムを理解すれば予測できることではありますが
副作用報告が相次ぎ、糖尿病関連学会などが注意勧告を出しています。

それによると
  1. スルホニル尿素( SU) 薬等インスリン分泌促進薬やインスリンと併用する場合には,低血糖に十分留意して,それらの用量を減じる 。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと
  2. 高齢者への投与は,慎重に適応を考えたうえで開始する。発売から3カ月間に65歳以上の患者に投与する場合には,全例登録すること
  3. 脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨されない
  4. 発熱・下痢・嘔吐などがあるとき,ないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には休薬する
  5. 同薬投与後,皮疹・紅斑などが認められた場合には速やかに投与を中止し,副作用報告を行うこと
  6. 尿路感染・性器感染については,適宜問診・検査を行って,発見に努めること。問診では質問紙の活用も推奨される
  7. 原則として,同薬は他に2剤程度までの併用が当面推奨される
  • 声明では併用薬の減量方法例として次の3点が示されている。
    ・グリメピリド2mg/日を超えて使用している患者は2mg/日以下に減じる
    ・グリベンクラミド1.25mg/日を超えて使用している患者は1.25mg/日以下に減じる
    ・グリクラジド40mg/日を超えて使用している患者は40mg/日以下に減じる
です。

特に、今後気温上昇に伴う脱水、熱中症が増加する季節でもあります。
使用にあたっては十分注意が必要です。
開始当初は、体重、身体所見、血液検査などで定期的にモニターしたいところです。






心房細動って聞いたことありますか?

脈が不規則にムラ打ち”する不整脈のことです。
年々増加傾向にあり、この10年で1.5倍になったそうです。


初めての発作時は症状が強く、「心臓が飛び出して死ぬかと思った」と言われる方もおられる程です。

でも、若くて、心臓に何の問題もない健康な方は、短時間の発作は通常問題ありません。
それ以上、重大な事態に発展する可能性はありません。


そうでない方は注意が必要です!

1)心不全の悪化
2)重症不整脈への移行
3)重症脳梗塞発症
などの危険性があるからです。


今回は3)について少しお話します。

心房細動になると、文字通り ”心房が細かく震え”、正常の収縮が行えない状態となります。
心房内に血流が淀み、血栓と呼ばれる”血の塊”ができやすくなります。
その血栓が何かをきっかけにはがれて、血流に乗り脳血管に詰まると、重症の脳梗塞を起こします。
ある程度大きくなった血栓が原因となるため、大梗塞となり、半数の方が1年以内に亡くなるというデータもあります。
有名人では、小渕元首相、オシム元監督、長嶋元監督などがこの病気を発症しました。


この血栓を予防する薬が抗凝固薬です。
代表的なくすりが”ワルファリン”です。
この薬がずっとOnly Oneでしたが、ここ数年間で新しい抗凝固薬が使用可能になりました。


効果・副作用などは薬剤差がありますが、ワルファリンと新しい抗凝固薬を全体で比較すると

1)塞栓症(血栓が詰まることによりおこる病気)発症予防効果はほぼ同等
2)心筋梗塞予防効果はほぼ同等
3)全原因による生命予後改善(長生き効果)はほぼ同等
4)重大な出血性副作用は新規抗凝固薬が約半分
5)薬価は新規抗凝固薬が高い
6)新規抗凝固薬は、基本的には食事制限がなく、毎月の血液検査が不要

となります。


どの薬を使用するかは何を優先して考えるかで決まります。

・とにかく脳梗塞になりたくないのか
・出血の副作用が嫌なのか
・安いクスリの方がいいのか
・服用しやすいのがいいのか

などを患者さんと相談していくことになります。
(細かい使い分けはここでは割愛)


心房細動の方は、症状が現在ないからと放置するのは危険です。
個人差はありますが、脳梗塞発症率は3,4~10倍程度になります。


循環器系の先生とよくご相談ください!!
この10年間で心房細動患者数は増加し1.5倍(M>F)
心房細動患者の3割以上は心血管疾患で死亡する

抗不整脈薬治療は生命予後を改善しないことはAFFIRM STUDYで確認されている

心房性不整脈、心房細動のトリガーは肺静脈内の持続電位が主因
これをisolateするアブレーション治療(拡大肺静脈隔離術)が非薬物治療の選択肢として
効果、再発率の低さ、安全性の面から適応が拡大している
基礎心疾患がなく、発作性か罹病歴が比較的短いPtは再発率も低く、心房機能回復による
心房内の血流うっ滞も改善
生命予後の評価は今後の検討が必要(抗凝固薬が不要になるわけではない)

高周波焼灼から冷凍凝固を用いた次世代型アブレーションの時代に突入


痩せた女性の脂肪肝”って意外ですか?
健診血液データをみると結構多いです!

脂肪肝・・・で連想するのはお酒ビールを飲むメタボの中年男性・・・

でも、食生活のバランスが悪いと若い女性でも脂肪肝になります(-.-)。

糖質(炭水化物)アイスクリームの摂取が多く、動物性蛋白質やビタミンBが不足すると
肝臓で合成された中性脂肪が末梢組織に運ばれにくくなります。

運び役(トラック)ウイングパネルトラックであるリポタンパク合成が低下し、工場あるいは倉庫蔵男・クラオである肝臓に生産物である中性脂肪が残ってしまうのが原因です。

脂肪肝に活性酸素が作用して脂肪肝炎を起こし、炎症が持続すると
やがては肝硬変、肝臓ガンがん2の経過をたどることもあります。

要注意です!!!