14日から東日本を襲った大雪。太平洋岸の雪は本州の南岸を低気圧が通ることで降ることが多いが、なぜ記録的な大雪になったのか。低気圧の進路や急発達、寒気の南下、低気圧の速度を遅らせて降雪を長引かせた高気圧などの悪条件が重なった。
■温暖化、間接的に影響か
日本列島に降る大雪は日本海側と太平洋側で仕組みが異なる。日本海側ではシベリアからの寒気が日本海を渡ってくる時に水蒸気を供給され、高い山々に吹き付けるなどで積乱雲が発達して、大雪になる。
太平洋側は、日本の南を東に進む「南岸低気圧」に伴い、暖かく湿った空気が吹き寄せ、北からの寒気とぶつかり積乱雲が発達して大雪になることが多い。
南岸低気圧は南側のコースを通ると積乱雲が海上で発達して本州には雨も雪も降らない。北側のコースだと陸上に暖気が入り込み、雪ではなく雨になる。中間を通ると雪を降らす。
今回は、なぜ記録的な大雪になったのか。
気象庁天気相談所の松原竹男所長は、南岸低気圧が関東付近に沿うように北東方向に進んだことが原因だと指摘する。これで関東付近に雪が降る条件が長く続いた。さらに、日本の東にあった高気圧が低気圧の行く手を阻む「ブロッキング高気圧」となり、北東方向に進む速度が遅くなって、さらに雪が長く続いた。
南岸低気圧の接近で暖気が入り込んで東京などが雪から雨に変わった後も、気温が低かった甲府市など内陸では降雪が続いた。
海洋研究開発機構地球シミュレータセンターの吉田聡(あきら)研究員の解析では、2月上旬は中国南部に寒気が南下して、日本の南岸は、南北の温度差が大きくなっていた。上空には気圧の谷があって、低気圧が発達しやすい状態だった。吉田さんは「急速に発達した低気圧が周辺の海域の水蒸気をかき集めて大雪となった。東側にはブロッキング高気圧ができ、非常にまれで数十年に1回ぐらいの現象だったと考えられる」と話す。
気象庁で長く予報官を務めた民間気象会社ハレックスの市澤成介・気象担当部長は「雨になりそうな低気圧のコースだったが、地上付近に冷たい空気が残った。これだけ悪い条件が重なったのはみたことがない」と驚く。
なぜ、日本を強い寒気が覆っていたのか。
日本大の山川修治教授(気候気象学)は、北極の寒気団が二つに分断されて、北米と東アジアに南下したことを挙げる。このため、日本や北米で大雪、冬季五輪が開かれているロシアのソチは寒気が南下せず、雪が少なくなっている。
近年、北極海の海氷が減って大気への水蒸気の供給が増えて、北極付近で低気圧ができやすくなっている。それに押される形でシベリア高気圧が南に広がり日本付近に寒気が張り出した。山川教授は「直接的ではないが、間接的に地球温暖化の影響を受けている可能性がある」と指摘する。
朝日新聞2月20日記事