ポルシェ981 LLCとPDKオイル交換 | AUTOBAHN MOTOR&KLUB909BLOG

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外車専門自動車屋の活動日記

 

ポルシェ981がLLCとPDK・ミッションデフオイル交換で入庫しました。

最近の車はLLCの交換サイクルが長いので、昔みたいに車検ごとの交換はしなくなりました。

今回はお客様からの要望で全量交換です。

 

LLC交換は時間が掛かるのでPDKから作業します。

まずは邪魔なアンダーカバーを外します。

 

PDKのオイルパンが見えるようになりました。

 

外したフレームは砂利やゴミが溜まっているので洗浄しておきます。

 

PDKとミッションデフオイルの注入口プラグを外します。

 

PDKのオイルパンからと

 

ミッションオイルと

 

デフオイルを抜いていきます。

 

PDKはオイルパンとフィルターが一体なので丸ごと交換です。

 

PDKオイルパン交換。

 

先にミッション・デフオイル注入。溢れるまで入れます。

 

PDKオイルを注入。エンジンかけながらテスターで温度管理しながら量調整です。

垂れたオイルをきれいに掃除した後にアンダーカバーをつけて完了です。

 

次はLLC交換です。

LLC全量交換ですのでラジエターからも抜かなければなりません。

ですがフロント周りを分解していては余計な手間とお金が掛かります。

まずはエンジン前側のホースを外します。これだけで結構な量のLLCが抜けます。

 

ラジエターへ行くパイプへホースを繋ぎ、水道からの圧力を掛けて水を流します。

 

出て来る水が透明になるまで流し続けます。

 

ホースを片側繋ぎエンジンへ水が回るようにします。

 

トランク側のキャップは閉めておきます。

 

エンジンルーム側は開けておきます。

 

エンジンからの水も透明になるまで流し続けます。

透明になったらホースを外し、エアを送って水を出します。

 

水道のホースを外して

 

エアを送ると水が抜けてきます。

 

ゴムの隙間を塞ぐ物を使い

 

サブタンクなどからエアを送って全ての水を抜きます。

 

LLCはフックスのFRICOFINⅤです。

 

当社ではLLC1Lに対し

 

水2Lをいれて33%ぐらいで使います。

 

エンジン側サブタンクから入れていきます。トランク側は開けてあります。

 

タンクいっぱいになりました。今回は充填機などは使わずに交換してみたいと思います。

それと入った量を見て完全に抜けているかの確認もしてみたいと思います。

現在混合したLLCが8L入りました。

 

リフトで後ろ側を限界まで上げてみます。これでプラス3L入りました。

 

リフトを下ろしてエンジンを掛けます。テスターでエア抜きの項目がありますが

現状ではエアは抜けませんでした。水温が上がってしまいます。

 

エアが抜ききれないまま水温が上がってしまうのでエンジンを止めて一晩冷やします。

次の朝に1.5L追加。エンジン始動するが水温上昇。

冷ました後に2L追加。エンジン始動で水温上昇。

冷まして1L追加。エンジン掛けて水温上昇。時間切れ

 

次の日の朝に1.5L追加。水温上昇。

冷まして1L追加。ヒーターから温風が出るようになり水温が上がらなくなる。

冷まして1L追加。水温安定。時間切れ。

 

次の朝にLLC確認。1L補充。エンジン始動、水温安定。

試運転して水温に異常が無いことを確認。

 

一晩置いて冷ました後にLLC量確認。減っていないので作業完了。

 

4日掛けてLLC交換。使用量20L。入った量からほぼ抜けきっていたようです。

エンジンを温めるときは毎回、テスターを繋いでエア抜きの指示通りにしています。

このやり方は時間が掛かります。

直噴エンジンはエアが抜けずらいですね。

次回はお手製の圧力式充填機を使いたいと思います。うまくいけば1日で終る予定です。

でも中々全量交換の依頼って来ないんですよね・・