『博士の愛した数式』(小川洋子 新潮社)
に書かれた全ての素数は4n±1という形で書かれるといった主張について誤解されている方が多いので、書かせていただきます。



まず、この主張は全ての素数が奇数であるということと同値な表現であり、美しいかは知りませんが驚くべき事実ではありません。(素数は1かその数でしか割り切れない数、偶数は2で割り切れる数)

ここで重要であるのは、次に続く主張です。すなわち、4n-1型の素数は自然数の平方の差で、4n+1型の素数は自然数の平方の和でかけるということです。

しかし、これも実は前半は自明です。なぜならすべての4n-1の形をした数は(素数でなくとも)平方の差となるからです。((2n)^2-(2n-1)^2=4n-1)

しかし、その後半の主張は実に興味深く、複素数の虚部、実部がともに整数となるような数を考えることによって証明されています。

もし驚くようなことや、不思議だと思うことに出会ったら、そのどの部分に不思議さを感じるのかをよく考えてみましょう。数学は当たり前と当たり前でないを行き来する学問です。世にも不思議な事実がいかにもありきたりに見えた時、魔法は解け新たな魔法を構成する力を手に入れることができるでしょう。