剱岳に関して、
ことさらに述べる必要があるのだろうか?
ロマンと逸話に溢れる剱岳に、
山が好きな人なら、行ってみたいと思うはず。
俺も、その中の一人です。
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剱岳といえば、険しい岩場のイメージでした。
現に、今までの山行の中では、群を抜いて上半身を使いました。
剱岳の本峰の前に立つ、前剱や、一服剱の登り返しの傾斜や、
岩場の具合は、その辺の百名山の核心部を余裕で越えています。
本峰はと言うと、それはそれは凄まじい岩稜っぷりでさ。
俺はクライミングはやらないんだけど、ホレボレする壁ばかり。
ていうか、やってみたいね。
「あれを登ってみたい」と思っちゃったもの。
険しさが際立つからこそ、
美しさも際立つのか。
北アルプスの北端から見る、日本の屋根の景色。
どこか、一歩引いたような、喧騒を傍から見たような、
そんなクールさと、ある種の寂しさも感じたな。
反面。凛として、他を寄せ付けない頑固さもあった。
俺の、剱岳の印象です。
ただ、強烈に脳裏に残っているのは、
真夜中の剱岳です。
降り落ちてきそうなぐらいの、満天の冬の星空に、
周囲をライト無しで歩けそうなぐらいの月明かり。
剱岳は照らされ、明るい闇夜に、大きな躯体を、
黒く浮かび上がらせていた。
目の前の世界は、この世のモノなのか?あちらなのか?
その間に立っている俺は、ここに、このまま居ていいのだろうか?
息を潜めて、その動向を見守っていた。
立山駅。朝イチのケーブルカー待ちの列。99%がシルバー世代。
この方たちは、室堂散策や、雷鳥沢のトレッキング、
頑張る方は立山(雄山)への登山て感じでした。剱岳へ行く人はゼロ。
室堂は、出来上がっている観光地。でも、火山ガスは湧いていて、
かなり目を突くし、深呼吸をするとむせちゃいます。
小1時間も歩けば、雷鳥沢へ着きます。
ほら、すごいガス。
雷鳥沢に下りる途中。立山連邦がよく見えます。
右から、主峰の雄山、大汝、富士ノ折立。どれも3,000m
左の大きいのが雷鳥沢ヒュッテ。右が、みくりが池温泉。
雷鳥沢から上り詰めたところが、別山乗越。
剱沢の深いカール。その向こうにドーンと剱岳のお目見え。
剱岳をバックに1枚。
別山乗越に立つ、剣御前小屋。
各小屋はご覧のように、昨日までの営業がほとんど。
シーズンオフの初日に山に入ったわけですね。
美しい。。。
剣沢のカールは、このまま、どこまでも落ちていく。
ここから下りたところに、テント場があります。
光と影、岩稜とカール。雲と青空。
自然の織りなす立体と色彩は圧倒的です。
カッコイイ。。。
一気にガスに覆われ、周囲は真っ暗に。白と黒の中間点。
剱をバックに従える紅。
ガスに包まれ、一層の厳つさと美しさ。
明日は、あの頂きか。
忍法めいたガスの湧き方。このまま消えちゃうんじゃ。
白と黒の中間点から、青色へ。
我が家も凛と立つ。
暮れようとする剱岳。
日が落ちると一気に冷え込む剱沢。
この夜は、マイナス2度まで下がった。
明日、会いに行く。
山の夜は早い。日没と共にだ。
今日もありがとう。