5日目:

ヒサゴ沼避難小屋 ~ 化雲岳 ~ 小化雲岳 ~ 天人峡温泉


最終日。
この日は、化雲岳、小化雲岳への登り返しはあるものの、
基本的には、ひたすら下る日。


雲が多く、太陽の姿は拝めなかったけれど、
雲の下側を照らす赤色は、これはこれで美しい。

化雲岳まで登ると、現在の空の状況を知ることが出来た。
どこまでも続く雲海。歩いて渡れそうな気がする。

赤味がかったグレーと、青味がかったグレー。
二つの淡い表情を同時に見せる空。


5日目ともなると、ヒゲは伸び放題、肌も焦げ茶。
どこからどうみても山男な風体になる。
でも、下界に下り、ヒゲを剃り、脱皮をすれば、
一瞬で都会に生きる人間に戻ってしまう。


最後の最後まで、スケール違いの世界を、原始の地球の姿を。
大雪山は、惜しげも無く見せてくれました。

再び言いたい。
これを、一部の限られた人だけが見ている現状は、
人間社会において大きな損失だと思う。
一人でも多くの方に、これを紹介したいと言う欲求。
これを詰めていけば、ガイドと言う仕事に行き着くのか。

でも、その前に、
まだまだ、この日本で、歩いてみたい山がたくさんある。
自分の足で、五感で、それをリアルなモノにしたい。

俺のベクトルは、時代に逆行しているのかもしれないが、
俺はこれでいい。


しかし、なんだな。
下山直後に食ったメシの旨いのなんの。
水道をひねれば水は出るは、氷は入ってるは、
色んな味の料理はあるは、揚げ物もあるは、茶碗蒸しはあるは、
生野菜はあるは、フルーツはあるは。生クリームはあるは。

沼や雪渓の水を飲み、
何回食べても、決して美味しいとは思えないアルファ米を食い、
山中で過ごす数日。

でも、そこの欲求よりも、
凄い世界を目にしたいと言う欲求の方が、遥かに勝ってしまう。
そして、期待以上のモノを感じさせてくれた大雪山。

この価値観と世界観を、バンドメンバーであるタケシと、
共有出来たってことは、これ以上ない事だと思う。

ライブにおいて、ピークを共有し、
実際の山でも、これを共有し。

でも、あまりにも大きな自然の前において、
音楽家であるとか、山に登る者であるとか、そんな線引きではなく、
小さいながらも、心臓を動かし、赤くて熱い血が流れて、
欲もあれば、願いもあり、反省もする。
少しずつでも、歩みを前に進めたい、そんな小さな、小さな、
地球のピースなんだってことを。

決して、卑下する感じではなく、
ごく素直に受け入れられる。

のんきに、
まだまだ自分も捨てたもんじゃないなって。
そう思えた、41歳の、夏の山旅です。



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