久しぶりに、テレビドラマで良い番組があったので紹介します。

 

(BSプレミアム 2月6日 21:00~22:30)

 「ドラマ・ガラパゴス 前編」

  ~刑事の戦い、その真の敵は~

  紹介は、朝日新聞 2月6日「試写室」より拝借。

  「”聞き込みの鬼”の異名をとる刑事が派遣社員の死の真相に迫る。そこに非正規雇用の闇や警察組織のほころびが見え隠れする。相場英雄原作ドラマの前編。 警視庁継続捜査班の田川信一(織田裕二)は、5年前に一酸化炭素中毒で自殺と判断された身元不明遺体が殺人事件だと見抜く。鑑識課の木幡裕香(桜庭ななみ)と細々と捜査を始め、現場に残されたメモの切れ端から沖縄・宮古島出身の派遣社員の男性と特定する。 派遣最大手の社長は”最後の受け皿”と胸を張るが、製造業の現場では派遣人件費を”外注加工費”と呼ぶ冷酷な実態も描く。 演出は 1990年代から織田と数々の名作を生んだ若松節郎。」

(NHKのHPより)

※織田裕二と若松節郎は、「ホワイトアウト」「振り返れは奴がいる」などの名作がある。

 

  これは社会ドラマです。日本における非正規労働者の実態を捉えた秀逸なドラマとなっています。日本経済の不振や、その問題点が記されています。就職氷河期世代(一般的に1970年頃から1980年頃までに生まれた、現在40歳~50歳前後の世代)は今、どうなっているのでしょうか?  少子高齢化だけではなく、日本経済の縮小や不振には「非正規雇用」の拡大も大きな一因であることを痛感します。

 

  下の図は、「週刊エコノミスト」2019年12月9日に掲載されました。

 

  今日の「モーニングショー」(テレビ朝日系列)で、「非正規雇用」の実態が報告されていました。それによると・・・。

  非正規雇用が増えた背景としては、バブル崩壊で日本経済が低迷したこと、一つには「給料が増えないため消費が伸びない」、二つ目は「人材を資産ではなく、コストととらえる」。 2022年、日本の世界の競争力は 34位に後退したことを挙げています。

  非正規雇用の労働者割合は、1984年に 15.3%だったのが、2022年には 36.9%に増加。平均年収は、正規社員の約半分。未婚率は、正規社員の2倍。非正規雇用の状況は深刻だ、と報道しています。

 

  ドラマ「ガラパゴス」では、主演の織田裕二が「ガラケー」を持っていることが、題名の大きな要素になりそうです。

ガラケー:ガラパゴス携帯の略で、ガラパゴス化した日本独自の多機能な携帯電話の端末を指す。

ガラパゴス化日本のビジネス用語のひとつで、孤立した環境(日本市場)で製品やサービスの最適化が著しく進行すると、外部(外国)の製品との互換性を失い孤立して取り残されるだけでなく、適応性(汎用性)と生存能力(低価格)の高い製品や技術が外部から導入されると、最終的に淘汰される危険に陥るという、進化論におけるガラパゴス諸島の生態系になぞらえた警句である。」(「Wikipedia」より)

  前編の再放送は、2月11日(土曜日)の15:30~17:00、NHK/BS-Pで。後編は 2月13日(月曜日)21:00~22:00 NHK・BSプレミアムで。 後編の紹介から(NHK)。

「後編 働く。生きる。誰もが幸せになっていいはずだ。」

  刑事・田川信一(織田裕二)は鑑識課の木幡(桜庭ななみ)とともに、生前の仲野定文(満島真之介)の足跡をたどって彼が派遣労働者として働いていた各地の勤務先を訪ね歩く。田川が知ったのは仲野が体験した理不尽な環境であり、仲野が世の中に何かを知らせようとしていたことがわかってくる。それは誰にとって、どういう意味をもつ内容だったのか? 田川は、カギを握る鳥居(伊藤英明)とついに対峙する。 真実が明らかになる!」