私は、脳梗塞で倒れてから7年が経ちます。後遺症として失語症が残っています。

「高次脳機能障害」の一つである「失語症」は、「高次脳機能障害」と共に一般の人には分からない症状です。失語症患者数は、推定で30万~50万人います。

 

7年間、私が読んできた「失語症」関連の本を紹介します。

先ずはコミックから。

1.「日々コウジ中」(柴本礼著。2010年9月30日発行。主婦の友社)

   「続・日々コウジ中」(柴本礼著。2011年12月31日発行。主婦の友社)

  これは「高次脳機能障害の夫と暮らす日常コミック」。「見た目はなんともないのに、突然人が変わったように暴力をふるったり、無気力になったり、すぐに物忘れをしてしまう・・・もしかしたら高次脳機能障害かもしれません。この知られざる障害を抱えた夫と、リハビリを全力で支える家族との日々が赤裸々に、そしてちょっぴりユーモアに描かれています」。夫は、くも膜下出血で倒れて、以降高次脳機能障害を煩っています。

  7年前、病院を退院してから何度もこのコミックを読み、元気づけられた本です。今、ブログを見て、学ぶことが多いです。(著者のブログは「日々コウジ中」で検索できます。)

 

 

 

2.「マンガ家が描いた失語症体験記」(福元のぼる、福元はな、共著。2010年5月10日発行。医歯薬出版)

  イラストレーターだった夫は、脳梗塞が原因で高次脳機能障害を発症しています。コミックですが、失語症者の実態がよく描かれており、医者の解説付きで、失語症の知識が得ることができます。インターネットで「失語症体験記」を検索すると、第一番目にヒットします。同じ検索で、私の「W.Yさんの失語症体験記」が出てきます。ぜひ見てください。

 

 

次は、失語症者の著作から。

3.「ナレーターなのに失語症になっちゃった」

  (沼尾ひろ子著。2014年4月2日発行。エスコアール出版)

  2006年脳梗塞により失語症となったが懸命のリハビリの末(アナウンサー)に復帰。2008年脳梗塞患者と家族のための自立支援の会を発足し、朗読会や講演等を通じて失語症者の社会復帰を後押ししています。あとがきで著者はこう述べています。「私が脳梗塞による失語症の障害を負ったことは、神さまが与えた使命なのだと思うことがあります。あの苦しみをだれにも絶対味わってほしくありません。脳梗塞は生活習慣の心がけによって多くを防げます。前触れ発作も見逃して欲しくありません。私の体験を伝えることによってたくさんの方が笑顔の人生を送ることができますように。そして、懸命に前を向いて闘っているみなさんにエールを!」

 

4.「失語症者、言語聴覚士になる」(平澤哲哉著。2003年12月10日発行。雲母書房)

  ことばを失った人は何を求めているのか。この著者は、交通事故で失語症になりました。「私は失語症になって、ことばでは言い尽くせないくらいたくさんの不満や屈辱を味わってきました。その原因の多くは、周りの人たちに、失語症を十分にわかってもらえないところにありました。先に、”失語症は孤独病”と記しましたが、まさにぴったりのことばだと思います。失語症はとても辛いのだということを、心から理解できるのは、この辛い症状を実際に味わった人だけだと思います」。そこで言語聴覚士になり、今は「失語症者の訪問ケア」を展開しています。この後、「続・失語症者、言語聴覚士になる~失語症の在宅訪問ケア」(2005年10月30日発行。雲母書房)の著作があります。

 

つづく。