牛田智大さんピアノ・リサイタル@豊田コンサートホールを聴いて | アダージォな毎日~愛犬と一緒♪

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今年は毎年この時期にある自分の演奏会と日程が重ならなくて、春の牛田智大さんのリサイタルを聴きに行くことができ本当に良かったです(今回のプログラムは外せない!)

 

自分のが無事終わった翌日、レッスンの時間を早めて(春休み前で生徒さんも短縮授業)豊田に向かいました。

 

3月も下旬だというのにとても寒い日でした。

 

 

 

行き慣れている豊田コンサートホールもピアノのソロリサイタルは久しぶりでした。

初めての会場で聴くような新鮮な気持ちになりました。

 

 牛田さん、豊田でリサイタルは初めてだったのですね(芸文コンサートホールが使えない時期だったそう)

お花素敵♪

 

 

2024.3.21(木) 18:45開演

牛田智大ピアノ・リサイタル

豊田コンサートホール

 

 

 

Program】

モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 K.282

シューマン:クライスレリアーナ Op.16

   ~  休憩  ~

ショパン:即興曲 第1番 変イ長調 Op.29

ショパン:即興曲 第2番 嬰ヘ長調 Op.36

ショパン:即興曲 第3番 変ト長調 Op.51

ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番  ロ短調 Op.58

   ~  ~  ~  ~

アンコール♪

ショパン:24の前奏曲より 第4番 ホ短調

シューマン:ピアノ・ソナタ第1番 Op.11  第2楽章

ショパン:幻想曲 ヘ短調 Op.49

 

 

牛田さんのリサイタルを聴くのは半年ぶり。

前回はベートーヴェンのソナタ30番と熱情、ショパンのスケルツォ全曲というプログラムでした。

今回がらりと違う濃い内容のプログラムに、今の牛田さんの意欲と充実ぶりが感じられ絶対聴きたいと思っていました。

 

聴き終わり感無量というか...本当に真摯に作品に向かい日々研究し、今の演奏があるのだと思うと込み上げてくるものがありました。

 

心から聴きに出かけてよかったと思う演奏会でした。

 

どの曲も細部まで神経が行き届いており、緻密にコントロールされていつつ不自然さがなく心に訴えかけてきます。演奏どうこうより、人として、ピアニストとして尊敬するピアニストのお一人です(今回聴いてその想いが更に強くなりました)

 

モーツァルトのソロを聴くのは初めてでした。以前コンチェルトは聴いたことがあります。あまり通常弾かれる機会が少ないであろう4番を冒頭に持ってきたのも、何か牛田さんらしいと感じました。珍しく1楽章が緩やかなんですよね。

前にのめり込む姿勢で丁寧に丁寧に1音を....やさしくて美しくて軽快なモーツァルトの世界を奏でていました。指まわりも危なげなく流石です。

 

そして2曲目はシューマンの難曲であるクライスレリアーナ、これは昨年ソナタの1番を以前弾いていた時も思いましたが、選曲が牛田さんらしい。内面を表現するのが難しい大作を入れてきた牛田さんの演奏は楽しみでなりませんでした。


ONTOMO連載の記事でも一般的な解釈に留まらずここまで深く掘り下げてるのか....と驚嘆させられる内容でしたが、本当に納得させられる演奏でした。

出だしは思いのほか硬めでぐいぐい行く感じ...その後も静と動、心揺れる表現が素晴らしく、どんどん惹きつけられました。

 

 

最後の8曲はppで付点の重声が続きコントロールがしにくい曲ですが、本当に美しかったです。


牛田さんが「この作品の本質的な感情は美しい愛というより劣等感や憤り、諦め、それによる狂気という生々しいものではないか」と述べていたのがまさに伝わる演奏でした。

は~、願わくばもう1度聴きたい!

 

 

 

休憩を挟んで後半はショパン。

壮大な3番のソナタの前に即興曲を3曲持ってくるというのも、なかなか大変なことだと思います。子どもの頃弾いた曲のせいか懐かしいような心地よい気持ちに....。

個人的には2番の即興曲がとても良かった。リズム感、流れが好みでした。

 

 

 

そして3番のソナタ、1楽章は思いのほかサラッと優しく軽めな印象。和音も重くなかった。中間部も激しさを全面に出すことはなかったです(ちょっと物足りなさも?)

2楽章は怖い曲ですが、とてもなめらかでさすがの安定感。そして出来を分けるであろう長大な3楽章...完全に別世界に連れて行かれました。素晴らしかった。

4楽章ももっとぐいぐい来るのかなと思いきや冷静に感じました。確実に丁寧に弾いてらした。

思うことはあったけれど、完成度高いなぁと感心しました。

 

そういえば最近はクライスレリアーナを入れるピアニストを多く目にしていたし、ショパンの3番もこの3ヶ月程の間に亀井聖矢さん、五十嵐薫子さんと立て続けにリサイタルで聴いていました。解釈も三者三様で比べるわけではないけれど興味深かった。

牛田さんのが最も繊細だと感じました。まだまだ研究されるであろうソナタでしょうから、また聴く機会が訪れますように....。

 

重量級のプログラムを終えて拍手に応える牛田さん。至って普通のお辞儀で「不満?不機嫌?」とも思えてしまう(笑)翌日が東京オペラシティでのリサイタルということできっとアンコールも1曲だろうと思っていたんです。プレリュードの4番、シューマンのソナタ1番の2楽章と2曲聴けたのが嬉しかったのですが...

再び椅子に座り幻想曲を弾き始めたときは会場がどよめきました。え~これだけ弾いた後に13分の幻想曲を弾いて下さるのか~(涙)

 

幻想曲、以前聴いたときのものとものすごく変わっていましたね。ペダルの使い方もテンポも....。熟成させているのがわかりました(以前はエネルギッシュで若さが全面に出るような演奏でした)締めくくりにふさわしく素晴らしかったです。

 

聴き終わった後の充実感と満足感が半端なかった。

 

今年4つ目のリサイタルでしたけど、何方も素晴らしかったですが、精神性の高さは別格に感じました。

 

今年は室内楽やコンチェルトなど精力的に取り組んでいくようですが、それもまた血となり肉となりで成長の糧となることでしょう。更には研究者として取り組まれているなんて....。どんな時間の使い方していらっしゃるのか、いったいどんな頭脳なの?うずまきと思ってしまう自分なのでした。

 

 



今日も寒かったけれど、週明けには開花しそうかな桜




夕方雨が上がってお散歩に行けましたあしあと


ランディよかったね〜ルンルン


毎日寒すぎて冬モードだったので、早く暖かくなってほしいです。



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