ツィメルマンを聴いての率直な感想 | アダージォな毎日~愛犬と一緒♪

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12月に入って忙しい時期に風邪による体調不良で1週間もグズグズ使いものにならなかったツケが笑い泣きレッスンもピアノ合わせもツメツメ状態ハッ

 

しかも踏んだり蹴ったりとはこのことで、風邪が良くなったと思ったら歯が痛くて夜も眠れないゲッソリ12月初旬に歯医者で定期検診もクリーニングもしてもらったばかりなのになぜなんだ汗 急遽歯医者行って検査してもらったけれど虫歯でも何でもなく....先生も不思議がっていた(苦笑) 風邪の後遺症かもと副鼻腔までみてくれたけどそれでもなく。抗生剤と痛み止めを処方された他は処置もなく、今だにスッキリしません。ハーッ魂もやもやする〜 

 

 

 

さてさて、ブログも書かないと今年が終わってしまう(^^;;

 

ツィメルマンを聴いたのが11月末だからもう3週間も過ぎてしまいました😰思うことが色々あったんだけど.... 

殴り書きになるかもしれませんが記録として残しておきます。

 

 

2023.11.30    18:45開演

クリスティアン・ツィメルマン ピアノリサイタル@愛知芸術文化劇場コンサートホール

 

 

 

 

 

 

 

Program

ショパン:ノクターン第2番変ホ長調Op.9-2 

                   〃  第5番嬰ヘ長調Op.15-2

                   〃  第16番変ホ長調Op.55-2

                   〃  第18番ホ長調Op.62-2

ショパン:ピアノ・ソナタ第2番「葬送」Op.35

    〜 休憩 〜

ドビュッシー:「版画」

           1.塔

           2.グラナダの夕べ

           3.雨の庭

シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲ロ短調Op.10

♪アンコール 

ラフマニノフ:前奏曲Op.23-4

 

 

随分前に東京でベートーヴェンの後期ソナタ3曲を聴いて以来のツィメルマンのピアノ。その時は会場の空気があまりにも張り詰めていて息苦しさを覚えるほど。神がかっていて素晴らしかったのだけれど、暫く封印しようと遠ざかってしまいました。

今回は地元でのリサイタルがあり、久しぶりに行く気持ちになりました。友人もチケットを買っていたので一緒に出かけました。

 

聴くのが待ち遠しいような怖いような複雑な気持ちでしたが、終演後も聴けた喜びよりも何か例えようのない気持ちで帰路につきました。

 

学生時代や若い頃、ツィメルマンのピアノにすっかり魅了されていた私は、当時できる限りのリサイタルやコンチェルトに足を運びました。英語でお手紙を書いて渡した記憶もあります(恥)

ショパンの2番、グリーグ、ベートーヴェンの4番、シューマン...コンチェルトもいつも凄かった。すぐ次の演奏会に行きたくなるほど中毒になっていました。

ツィメルマンは完璧なテクニックだけじゃなく、品格があり、派手なパフォーマンスはないけれど誠実な音楽が伝わってきていつも惹き込まれてました。音の質が重厚感があり、温かみがあって好きだった。

結婚後も大阪や神戸に聴きに出かけていき、ドビュッシーの前奏曲全曲やショパンのスケルツォ全曲のリサイタルはそれはそれは素晴らしく、今でも忘れることができません。他のピアニストと次元が違うのを生ではヒシヒシと感じ、崇拝していたんだと思います。

 

大学の入学直後にショパンの葬送ソナタを勉強したときは、当時のツィメルマンのリサイタル録音(ラジオを録音したもの)を聴きまくりお手本にしてたっけ...。先生にはツィメルマンにそっくりね!と笑われる始末(笑)それくらい私が影響を受けたピアニストでもありました。

何を弾いても好みの曲想と音の響きと知性溢れる演奏で、自分のなかでは揺るぎなかったんですよね。

それから30年以上経過して、もちろん現在のツィメルマンに円熟した姿はあったけれど、何か思い描いているツィメルマンとは違い、安心感が得られずヒヤヒヤしてしまう自分がいました(老いと衰えを認めたくない自分が...)

 

 

3〜4ページのノクターンも譜面をおくんだ...。15-2なんて昔は大得意の曲だったのに、中間部がどことなく危なかしい。頂点に向かうところもセーヴしているのが分かり全く盛り上がらなかった。

そして葬送ソナタ1楽章の展開部に移るときに譜面をめくる動作と音に幻滅してしまう自分。集中できんぞ!?なぜ暗譜じゃないの?って思ってしまうのです。

2楽章の跳躍もこわごわにみえてしまう。過去には絶対なかった外してしまうツィメルマンに、私の崇拝していたピアニストの葬送ソナタの弾きっぷりではない...となんともいえず悲しくなってしまう。雨の庭だって難しい曲ではないはずなのに、冴えない指さばきに感じる。

後半最後のシマノフスキが聴けたことは行った甲斐があったけれど、前から5列目で聴いていた友人は第9変奏あたりからツィメルマンが楽譜をガン見していたという。「後少しなのに?」って驚いたそう。

 

マイピアノを持ち込んだけれど鳴りは決して良くなく、モダンピアノかと思うような繊細な響きで曇って聴こえました(繊細さを大事にしたかったのだと思いますが)。拘りの強いツィメルマンなので頭では理解しているけれど、ホールのピアノので聴きたかった気持ちがあります。全身全霊で弾いているのに彼らしい豊かな音が飛んでこない。

 

全曲を弾き終わるともう余力は残っていないように見受けられ、足元もふらついていました。体調が充分ではなかったのだろうか。お姿からは「70代後半なのか?」と思うくらいだったけれど、まだ60代半ばだとは逆に驚いてしまった。サンタのおじいちゃんみたいなお姿だった。

 

会場は温かい空気に包まれとても沸いていたし、ツィメルマンもステージを無事終えて満足そうにみえたけれど、何処か満ち足りない気持ちが勝ってしまったのは私だけでしょうか。

輝かしい全盛期のツィメルマンのピアノが忘れられないゆえの自分の固定概念から抜け出せず、今回ツィメルマンの音楽に存分に浸れたなかったのは残念でもありました。私が望みすぎていたのかな...。

 

でも愛知で公演して下さって感謝の気持ちでいっぱい。今のツィメルマンを聴けたことは大きいと思う。そしてまだまだ元気で弾いていて欲しい。やはり偉大なピアニストの1人だと思うから。

 

翌日北海道に行く予定があったので友人とはリサイタル前に軽食を一緒にとり、終演後はまっすぐ帰宅。帰り道色々話しながら彼女宅に送っていきました。

生のツィメルマンを初めて聴いた彼女は、シマノフスキは手が痛くなるほど拍手したとのこと。いつも聴いているツィメルマンの音色がところどころ垣間見れたと喜んでいました。でも「らしからぬミスタッチあったよね...」と。至近距離で聴いていた彼女は右手が動いていなかったし、本調子ではなかった気がすると感じたようです。私は11列目だったので細かい動きまではよく見えていませんでした。

 

次聴きに行く日は来るだろうか。

今は好きな音源で自分の心のなかにツィメルマンの全盛期の演奏を留めておきたい気がしています。

 

 

今年も残すところあと僅か。

聴いた中で印象に残っているのは9月に米原で聴いた牛田智大さん、2月と10月にしらかわホールで聴いた藤田真央さん、10月に東京オペラシティで聴いたカントロフが上位3人です。

あ、まだあと一つリサイタル残ってました爆笑

楽しめたら嬉しいです。

 


 

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