街を歩いていると、ふと小さな路地が目に入るときがある。
誰もが通りすぎてしまうような、とても小さな道。
なぜ惹かれるのか分からないけれど、心が手を引くままに歩みを進める。
さっきまで、僕を囲んでいた音が消える。
建物の日陰がつくりだす、ひんやりと冷たい空気が僕を包む。
視界は遮られ、路地が景色を覆い隠す。
だからこそ、なんだかわくわくしてしまう。
光と影が生み出すリズムに乗って、僕は奥へと進んでゆく。
ここはいつもの街だけど、いつもと時間の速さが違う。
この時間、この季節、この天気でしか出会うことのできない、
ただ一度きりのパラレルワールド。
ペンネーム:hajime
