50代の初めごろ、当時の勤め先の社長と話したことがある。
「もしやり直せるとしたら、何歳に戻りたい?」
社長は「20代!」と即座に答えた。
彼は、幼時は老舗の和菓子屋の息子として、裕福にくらしていたけれど、小学校時代に倒産、高校を出た後は仕事しながら国内を転々とし、折からのアパレルブームにのって、若くして独立、会社を興した人物。
会社設立当時は、作れば作っただけ売れる時代。急成長して、私が入社したころも、出荷のため、夜遅くまで肉体労働の体育会系の会社だった。
ところがバブルの崩壊で、中国製品に押されはじめ、会社はどんどん縮小、50代の当時は赤字経営になる寸前だった。
会社が成長し、数字が伸び、張り切っていた時代が恋しいんだろうな、と思った。
当時の私は、正反対。若いのはそれなりに大変なこと。もし、20代に戻ったら、出産はしないといけないし、子育てはしないといけないし(←私の時代は子供は持つのが普通の時代だったから)、50代の今、ようやく子供の受験も終わったというのに、もう、やる直す気にはなれなかった。
そしてリフォーム会社に転職して13年半。最近、親しい大工の親方と立ち話をしていたら、彼にしては珍しく、私的なことを口にした。彼は私より1歳年上。計らずも前出の社長と同い年。
彼は東北地方育ち。当時は都会と地方の落差が大きく、兄妹のうち、半分は高校も出ていないという。彼は人当たりもいいし、身なりも顔だちもきちんとした人で、若い時から才覚のある人だったんだろう、自分で工務店を立ち上げ、今でも大工を抱えて、毎日仕事をしている。
「もう年金はもらえる年だけど、支給停止で、ぜんぜんもらってないよ。(年金受給には収入制限があるのである)月給も貯金するだけ。Kymaさんもそうじゃない?若い時にちゃんと考えていると、この年なると、みんな楽になるんじゃないの?」と高らかに笑った。
現在に満足している彼に、「若い時代に戻れるなら、もう一度戻りたい?」ときくと、彼は即座に「そりゃあ、そうだよ。お金で若さが買えるなら、どれだけ出してでも買いたいよ」ですって。
ふーん。そうかなあ。私はやっぱり、やり直したくないな。ようやくここまで来れたことに、満足しているし、もう十分。いまさら、もう一回なんて・・・・。
でも、もしできるなら、これ以上年を取りたくはないです。このままで居させてください(笑)。
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