修理の裏話
腕時計を誤って落としたり強くぶつけると、
文字板を止める為に付いている2本の柱が、
取れてしまうことがあります。
その場合、対処方法が2つあります。一つは元のように、半田付けで修理する方法ですがこれには熱で文字板が変色する可能性があり失敗すると汚なくなってしまうという欠点があります。もう一つは、両面テープで機械に直接貼り付ける方法です。
この方法は、僕が考えたのではなくて、戦前から行われているものです。当然今のように便利な両面テープなどありませんから、膏薬を小さく切って貼ったのですが。
一度しっかりと貼ってしまえば、次の分解掃除まで十分持ちますし、文字板の変色はないし、今までよりもずっと強く付きますので、かえって良いくらいです。
テープの厚みはそれほどないので、貼り付ける際に気をつけて行なえば下の写真のように綺麗に直ります。勿論、お客様には分かりませんし、文字板の修理料金もかからないので修理料金も分解掃除の代金だけで済みます。
当然、この状態で見ても本職でも分かりません。
決して騙すことではありませんし、貼り付けるのにも時間がかかりますし正確に元の位置に貼るのには慣れも必要です。勿論、自分でも元のように柱を付け直すことも当然出来ます。
戦後の一時期には、新品の時計もそうやって販売していましたし、現在でも、1,000円くらいで売っている時計の中にもそうした物があります。
時計として使用するには、何の問題もありません。別にズルをしている訳でも無いのです。よく天然石を使った文字板がありますが、表面が平らで何も無い文字板に薄くスライスした天然石を接着剤で貼り付けたものです。たいした差はないと思います。天然石に柱を付けることは出来ませんから。今回は、こんな方法があるということの紹介でした。
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