『お疲れ様でしたー』
関係者各位に挨拶を済ませ、ドアを閉める。

「・・終わった・・」
やっと仕事が終わった。
非常に疲れた半日だった・・。

「今日も俺ん家来るよね?」
隣で潤が、無邪気に笑顔で尋ねてくる。

「・・う、ん」
俺は、解らない。
どんな風に返事をすればいいのか
どんな顔をしていればいいのか
今日はもう、一日中そうだった。

昨日まではただのマネージャーとタレントだったのが、たった一晩で恋人同士になって。
とはいえ一夜で関係が変わることなら今までだって何度もあった。

それなのに、俺はいま何でこんなにいっぱいいっぱいなんだろう。
潤は何でそんな普通でいられるんだろう。

ーーーーー

「社長とは何話したの?」

風呂上がりの炭酸水(なんかオシャレなやつ)をプシュっとして、潤が問う。
先に俺が風呂に入ってる間にはなんと夕食の支度をしていたらしく、キッチンからはいい匂いが漂っている。

「・・マネージャーの交替は待って欲しい、って伝えたよ。
わがまま言って申し訳ないって謝っといた」
「そっか。・・よかった・・」
潤が心からホッとしたように呟くのに胸がキュッとする。

「で、社長は何て?」
「・・・『やっぱりね』だって」
「ふふっ、さすが社長。あの人って一体何者なの?」
「・・・」

何者っていうか元彼なんだけど・・。
こういうのってやっぱり話しておいた方がいいよな。
今までそんな事を付き合った相手に言ったことないけど、潤にはちゃんと話しておきたい。

「なあ、潤・・」
振り返ろうとしたら、頸に温かくて柔らかな感触がして
そのまま後ろから抱き寄せられる。
「しょーさん、いい匂い」
「・・お、お前と同じだろ・・
ここのシャンプー使ったんだから」
「そういうの、興奮する」
「・・なっ、こ、お・・」
「ふふ、何言ってんの?」

撫でた肩に顔を埋めて、首筋に唇で触れながらそんな恥ずかしい台詞を言われたら
もう心臓が煩くて言葉も上手く出てこない。

「・・ね、すぐ欲しい」
「だ、って・・メシ」
「後で」
「・・腹減ってるだろ」
「減ってるけど・・コッチの方が待てないの」
「〜〜っおまえ、恥ずかしいことばっか、」
「翔さんて可愛いよね」
「なっ・・、か、//」
「可愛いよ。・・だって」
「ッ!」

急に向きを変えられて、向き合って抱きしめられると
「・・そんなこと言ってるのにもうこんな」
ぴたりと合わさった体に、反応し始めたお互いのものが当たる。
「・・・//」

男って、分かりやすくてホント損だ。
潤の甘い声に囁かれて、少し触れられただけでこんなになるなんて
そんでそれがこんなハッキリ伝わるなんて、マジで居た堪れない。

潤の唇が  掬うように  俺の唇に  触れてきて、するりと  入り込む  舌  が自分のそれと  絡み  合う。
深い  キス しながら潤の  腿が  自身を  押し上げてくるから
「ん・・ふ、あ・・っ」
身体が  ぴくりと跳ねて
重なる唇からは、つい声が漏れてしまう。

しばらくそうして、緩んで力が入んなくなった俺に
「ここでする?それともベッド?」
余裕ありそうに尋ねられたら、元来の負けず嫌いが出て
「・・待てないならここでいいだろ」
その生意気で魅力的な唇に、喰いついた。

ーーー

「っはあ・・、」
「しょ・・さっ、ヤバ・・」

「いーよ、イ  けよ・・」
「やっ、ダメだってっ・・」
俺の下で焦ってる潤が愛おしい。

なんとか体勢を変えようとしてるのを、そうはさせないと抵抗してたけど
だんだん自分も限界が近くて。

経験値では勝るはずなのに、潤相手だととにかく感じ  過ぎて
「っ、あ・・っ、く」
身体が勝手に  昇っていこうとする。

俺の身体が強張りはじめたのを察した潤が
「じゃあ、一緒に・・」
「・・っあ、まえはダメだって」
「いーじゃん、2人で気持ち  よくなろ・・?」
そう言って見上げてくる顔が、いい感じに溶けてて、可愛くてエ  ロくて堪んない。

「あっ、あ、・・だめ、
だ・・、っああ!」

潤のうえで、大きく背中を  反らして
身体が  跳ねあがる俺の手を、ぎゅっと握り合ったまま
「しょ・・、ッ」
俺の  奥で、潤も  果てたのがわかる。

「〜〜っっ・・」
余韻に  震えて、まだ身体が  強張ったまま何も言葉がでないでいる俺を
身体を起こして抱きしめてきて

「こんないいの、知らない・・」

潤がため息のように呟いた。

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