朝、新聞を広げてまずは一面記事に目を通しますが

今日は日経新聞一面のコラム「春秋」に目が行き

思わず アッ! と声を上げました。

 

 

関西電力の会長、社長、役員らが高浜原発の有力者等から

金品を受け取ったという事件。

 

「強引に渡された。受け取らざるを得なかった。」

会見でのこの言葉に、

どこかで読んだ(観た)シーンだなぁ・・・

モヤモヤしていたのです。

 

松本清張の「弱味」 これです!あ~スッキリした!(^^)!

 

ストーリーは

 

 役所の課長である主人公が、愛人を持つ。

 役人といえど中堅のサラリーマン、

 だから莫大がお金があるわけではない。

 でも愛人との仲は続けていたいから

 愛人に仕事を辞めさせるなど無理を強いる。

 

 ある時、愛人と旅行に行き

 持ち物を泥棒に盗まれてしまう。

 警察に届ければ秘密が露見する。

 慌ててすがった相手は、男気を売り物にする市議。

 

 市議は選挙資金や勢力を拡大するために、

 金品、果てには愛人の家まで用意して

 役所の課長の立場をトコトン使い果たす。

 

「弱味」は過去に2度、ドラマ化されたことがあります。

その一つを以前、愛宕のNHK博物館で観ることができました。

 

1962年 NHKでは「黒の組曲」というテーマで

松本清張氏の短編小説を幾つかドラマ化しています。

 

「弱味」では、主人公を花沢徳衛氏、

市議役を殿山泰司氏が演じていました。

 

花沢徳衛氏は頑固な職人役や人の好い下町のおじいちゃん、という

イメージが強かったのですが

ドラマでは(モノクロということもありますが)

生真面目な市役所の課長を演じておられたのが印象的でした。

 

そもそもが洋画家になりたかったという花沢氏

(確か三田佳子さんも女子美大の洋画科に進む予定だったとか・・)

 

抜け出せない闇の中で生きるサラリーマンの姿を

見事に演じておられました。

 

歳を重ねるにつれ、物事には表と裏がある

痛切に感じることが多々あります。

 

関西電力の事件にも

様々な裏事情がありそうです。

 

本日日経新聞朝刊3面