伊坂幸太郎『夜の国のクーパー』
ある小さな国を巡るお話。猫が語り部となり、主人公に語るお話と、主人公がその小さな国を救うお話である。
細かい説明は実際に本を読んで確認してもらうとして、ここでは私が稚拙ながらも考えたことを披露させてもらうことにする

以降、ネタバレ要素もある。基本的には読んだ人向けに書くので、細かい話は割愛する。


私が考えたのは、この作品がジブリ作品から着想を得たものではないか、という説だ。


一つ目 猫が人語を理解

これは間違いなく、『猫の恩返し』。もしかすると、夏目漱石『我輩は猫である』かもしれない(人は猫が人語を理解するとは思ってないし、猫が人に話しかけるのは不可能だから、その点でリンク)。しかし、猫が人に恩を感じてないのに情をかけて助けちゃうところは、『猫の恩返し』のバロン達に似ていると感じる。


二つ目 巨人の存在

ここでいう巨人とは、クーパー杉ではなく、主人公。攻めてきた大国の兵士達は、突如現れた主人公、巨人によってコテンパンにされる。
これは間違いなく巨神兵だ。『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』で出てくるあれ。『風の谷のナウシカ』では、「火の七日間」によって世界を破壊する。
ところで、この巨神兵。『風の谷のナウシカ』と『天空の城ラピュタ』とではサイズ感が違う。『天空の城ラピュタ』では、シータやバズーと比べるとせいぜい3メートル前後にしか見えない。しかし、『風の谷のナウシカ』では、60メートルを越えるまさしく「巨神兵」なのである。
ここから、「ナウシカ達の小人説」を唱える方も少なくないが、まさにこの、「ナウシカ小人説」から、この世界が小人の世界だという着想を得たのかもしれない。もしくは「ガリバー旅行記」か。



以上の二つが、ジブリ作品から着想を得た根拠になりそうなものだが、説としては論拠が少な過ぎる気もする。今後のアップデートに期待してほしい(ゲームか!)

ところで、『夜の国のクーパー』ではあるが、この世界の人々は、私たちの4分の1か5分の1とある。確かに小さいが、この程度の差であれば、さすがに彼らの銃を食らえば「血が出て、それを見て貧血を起こす」程度では済まないのではないだろうか。結構なダメージだと思うのだが。