もうほぼ3年経つ。
埼玉の実家を出て、一人暮らしを始めて。
電車で2時間、その他の移動を含め2時間半あれば行き来できる。
しかし、理由もなく実家に帰ることはない。
2時間半という時間は、おれにとって本を読んでいればあっという間で。本を読みたいときは実家に帰ろうと思う。でも思うだけ。
2月というのに、春先くらいの暖かさで、青空も見える。年々冬が短くなっている気がする。
なんかくしゃみも出るし、もう花粉が飛んでるのかと思うとこの先が憂鬱だ。
なんたらウイルスというのも流行っていて、電車の中で咳をしようもんなら、いきなり汚物のように見られる。生きづらい世の中だ。
実家の最寄り駅に着く。年始ぶりだから大して時間は開いてないが、ポツポツとしか電車から降りない乗客を見て、帰ってきたなと感じる。
駅を降りて実家へと向かっていると、降りた駅に向かう人がいた。
そいつはおれに気づいてなかった。おれがとっさに取った行動は、通せん坊。
大学の友人にまさか地元の駅で出会うとは。
東京の大学に通っていたので、そいつと会うのは決まって都内のどこかだった。
なんでここにいるの?
お互いこの偶然に戸惑い、現実を疑うしかなかった。日本は世界から見れば小さいけど、こんなに小さいとは思いませんでしたよ。
大学時代より膨らんだダラシないお腹をいじって、じゃ、って。そんくらいの下手な馴れ合いのない感じが久々で、地元が引き寄せたワンシーンやこれ、って思ったんだ。
でも、また飲みにでも行こうぜ、とかありがちなことは言ったけどね。
で、なんで実家に帰って来たかというと、父親がサッカーのチケット取ったらしい。明日観に行くために、前乗りで実家泊。
元々野球をやってたおれは、サッカーを観たことなかったし、父親から誘われたことなんかないから、行くことにしたんだ。
家族内であんまり会話をしたことがなくて、実家に帰ってもあんまり会話は続かない。まあそれが楽ではあるんだけど。
でも父親が、今日はサッカースタジアムまで下見に行って来たんだよと言ってきた。
いや、楽しみにしすぎだろ。
しかも駐車場も取ってきたみたいで、キックオフの2時間前には着くようにするらしい。
楽しみそうで何よりだ。
会話はそれくらいしかなかった。
でも、楽しみなことは伝わった。おれもわくわくしてきたよお父さん。
毎日繰り返す仕事漬けの生活。お客さんの要望に答えて、上からは詰められて、幸せってなんだろうなんて考えることもなく、過ぎていく生活。
サッカー観戦というイベントが、親子の時間を作った。ただサッカー見に行くってだけだと思ってたんだけど、親子でサッカー観戦とか、めっちゃ幸せなことだよね。
ふと、フォーカスしないと感じられないことだなって思ったのだ。
小さなことだって、意味を与えて、考えて、しっかり感じる。
つらつら書いてみたけど、書くと考えられる。
考えるために書いて、日々を大事にするべきだと思ったんだ。
明日は照れ臭いけど、しっかりサッカー観戦も親子の時間も楽しんでくるよ。
