政府の調査では、50歳時点で一度も結婚したことがない「生涯未婚」の比率が、男性で20.1%、女性で10.6%となったそうです。
初めて男性が2割を、そして女性が1割を突破したのだとか。
30年前と比較すると、男性で8倍、女性で2倍に増えたことになるそうです。
この事実に対する見方は、いろいろとあると思います。
1つには、男性が結婚に対して意欲がなくなっていることが考えられます。
実は私は、昨年49歳で結婚しました。ぎりぎり生涯未婚にカウントされずに済んだわけです。
元々は、20代後半くらいでは結婚したかったのです。でも、奥手な性格から、なかなか彼女を作ることもままならず、たとえ恋人関係になっても、すぐに別れるような感じでした。
結婚相談所に登録したり、コンピューターによる紹介クラブに入会したりしました。親も一所懸命にお見合い話を持ってきてくれたのです。
それなのに、決まりませんでした。なぜか?
それは、「この人でなければならない」とか、「絶対にこの人と結婚したい」という意欲がわかなかったからです。
贅沢と言われればそれまでですが、一生のことなのに、誰でも良いというわけにはいきません。
またそれは、必ずしも私だけの話ではありません。相手の女性にも言えることです。
なので、私がもっと付き合いたいと言えば相手がダメと言い、相手がもっとと言えば私がダメと言う感じで、うまく噛み合わなかったのです。
結婚したいという気持ちはあるけれど、誰とでもというわけではない。
そう感じる理由として、独身貴族的な生活が捨てられないからだと言う人もいます。
それは当たっているかもしれませんが、少なくとも私は、そういう気持ちではありませんでした。
これで間違いないという確信を得たかったのだと思います。
ではそれが、どうして50歳目前で結婚できたのでしょうか?しかも相手は22歳も年下の女性と。
それは、捨てたからです。もう結婚しなくても良いと諦めたことが、こういう結果になりました。
結婚しないと決めたわけではありません。結婚しなくても良いと決めたのです。
いわば結果を天に任せたのです。結果を気にするよりも、その過程を楽しめば良いと思ったのです。
私はふと、自動二輪の限定解除(現在は大型二輪)の試験を、東京の府中で受けた時のことを思い出しました。
20~30人が受験して、合格者は2~3人という難関です。
1回目は緊張していて、急制動で後輪をロックさせ、スリップしてしまいました。危険走行ということで、その時点で試験中止です。
2回目はひと通り走ったものの、自分でも不出来とわかる内容でした。
3回目のとき、私は結果にこだわるのをやめました。練習ではちゃんとできるのだから、練習でやったことをこの場で再現することだけを考えました。
そして発表の時、みんなの前で私の名前が呼ばれました。「はい!」と返事をして合格証を受け取り、祝福の拍手に応えて高々と手を上げたのです。
嬉しかったなあ、あの瞬間。そうです。あのときも、結果にこだわることを捨てたのです。そうしたら無用な力が抜けて、普段通りの実力を発揮できたのでした。
結果にこだわりすぎていると、やはりその気持が表に出てきます。
それにこだわるということは、期待する結果が得られないことへの不安につながります。
そして不安を抱いていれば、間違いなくその不安が的中する結果を引き寄せるのです。
だから、結婚をしたかったら、結婚できないという不安を払拭することが大切だと思います。
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」
結果にこだわることをやめ、今、ここを大切にして自分らしさを楽しむことが、50歳からでも結婚できる秘訣ではないかと思うのです。