入院してから6日目の8月2日、先生からちゃんとした説明があった。

それまでは、検査の毎日。


「食事がお粥やからまずくて食べられへんわ〜!」って言う夫。毎日輸血しても、ヘモグロビンは7.0台のド貧血。


そして病名は…


スキルス胃がん ステージ4

傍大動脈リンパ節転移

多発骨転移


・手術の適応はない

・治療ではなく延命がメイン

・痛みとかを除く緩和をしていく


色々と話して下さる先生を前に、私はやっぱり病名にショックを受けてしまって…


スキルス胃がんは、私の友人の医師と先輩ナースが若くして亡くなった病気。なので、胃がんの中でも本当にタチの悪いがんやから恐れていた病気。


まさか…何で?毎年内視鏡してたし、そもそもピロリ菌除菌したのに??


訳がわからなかったけど、夫は驚きながらもちゃんと話に頷いて質問してた。


一通り話した後、


「僕はいつまで生きられますか?」


夫が尋ねた。

きっと、めちゃくちゃ勇気を出して口にしたんじゃないかな?


先生は、「人それぞれ違うのではっきり言えませんが、平均しての事はお伝え出来ます」


それを聞いて夫は、


「聞くの…辞めときます。僕は何としてでも生きたいし、諦める事が出来ないので。なので、よろしくお願いします」


と頭を下げた。


私は涙をずっと堪えてたけど、一緒に頭を下げてる時に涙が溢れ出した。


その後、コロナ禍で面会がちゃんと出来ないから2人でこのまま話していい、と先生方は部屋を出て行かれた。


まずは、「ビックリしたな。でも、大丈夫やで」と伝える。


夫は、「ホンマにビックリやな…」


そして、「先生は、交通事故に遭うくらいの少ない頻度の進行がんと言ってたけど、オレは交通事故より自分の体調とかわかるから、全然ええと思う」


こんな状況でも前向きな考え方出来る夫は、強くて本当にすごいと思った。


話してくれる内容に頷いたりして、最後に、


「私を幸せにするって、泣かせないって約束したんやから、私が死ぬ翌日までは生きてもらわなあかんで!」と言ったら、大爆笑してた。


これからは、私が夫を支える!


そう決意した日でした。