2022年7月27日の朝、私の出勤前に単身赴任先から2ヶ月ぶりに夫が帰って来た。


「しんどい…」って、めちゃくちゃ顔色悪くて痩せていて…昨日、突然黒い嘔吐と便があったと。


近医を受診して胃カメラしてもらえる病院を紹介してもらうって言って、「大丈夫やし仕事行き。何かあったらすぐに連絡するから」と言われ出勤するけど…あの顔色、めちゃくちゃ気になる…


結局、午後から行ける事になった内視鏡のクリニックで血液データ異常があり、大学病院へ緊急で向かう事になった。
Hb 4.0台(男性で普通14〜18くらい)って信じられへんデータで緊急輸血開始。

私は仕事を早退して病院に向かい、救命センターの個室で夫に会う事が出来た。


「生きるか死ぬかの状況やと言われたで。よく歩けてたと驚かれた。さすがオレ笑。心配せんでも大丈夫や。こんな事ならもっと大事にしとけば良かった〜」


って冗談ぽく言うから、「(大事にしとくべきは)私がなん?私をなん?」って聞いたら、


「〇〇(私)をや」って言うから、「ホンマやで!」と言って2人で笑った。


造影CT後内視鏡して、先生から私にだけ「悪いもの」の可能性が疑われると伝えられた。
3ヶ月前くらいからの腰痛(ギックリ腰っぽいとコルセットを装着してた)も…と言われたので、


「え?骨メタ(転移)って事ですか?」と聞いたら、「その可能性が高いです」と…


頭が真っ白になった。


だって、健康診断も受けてたし、2021年の12月に胃カメラしてピロリ菌除菌もしたし。


そんなはずないよね…


夫は大丈夫かな…自分を責めてないかな…眠れるかな…体はしんどくないかな…


「絶対に大丈夫」


病院から出た私は、何百回、何千回、言い続けたかわからんくらいにその言葉を口にしながら、涙をこらえて歩いた。