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(金管バンド)個人練習で見落としがちな3つのこと

金管バンド人生の約半分は個人練習の割合が多くを占めます。

場所も時間も何もかも自分で選べる分様々な練習を行えるのが魅力の一つです。

 

しかし、その反面自分一人で練習をしているからこそ気づきにくいこと、着目しにくいことも多いです。

 

今日はそんな個人練習の時に忘れやすい項目3点です。

 

 

もくじ

  1. 音量

  2. 出だしと切り

  3. 独奏と伴奏のスタイルの吹き分け

     
     

1、音量

一人で吹いている分、どうしてもウォームアップ、基礎練習、音楽の練習など全て

 

自分の吹きやすい音量

 

で練習をし易いです。

一人で吹いている分、客観的に演奏や音量を見る事が難しく大体の場合が

 

吹き易い音量〜大音量

 

での練習が大半を占めてしまいます。

 

しかし、楽譜を見てもらえれば分かる通りは金管バンドの楽譜の多くには

 

ppp, pp, p, mp, mf, f, ff, fff

sfz, fp, creasc. dim. subit p

 

などほんの少し取り出してみただけでも数多くの強弱記号が書かれています。

まして音域的、跳躍的、指使い的に難所が出てくる箇所に関しては強弱記号を見落としてしまっての練習になりやすいです。

 

そのまま合奏に行ってしまうと

 

・弱奏のイメージがないまま演奏してしまう

←pの静かな雰囲気がでない

←吹き慣れていない事から音が震えてしまったり恐怖を感じる

←音が出ない

 

・大音量での練習が足りないまま合奏へ行ってしまう

←すぐバテてしまう

←力みが入り身体を痛めてしまう

←身体のコントロールが効かなくなり理想の音程や音色が出せなくなってしまう

 

なので例えばとある日の個人練習では

  • 基礎の練習をpで行う

  • ロングトーンをcresc.&dim.をつけたりその反対で行う

  • 曲中に出てくる音量の指示を全てわかりやすく色付けする

など工夫をし音符を並べるという練習から一歩進んで強弱をつけての表現の練習も大変必要になります。

ご存知の通り、金管バンドでは金管楽器と打楽器のみによってアンサンブルが構成されています。そのため強弱をよりつける事により音楽表現の幅を広げ曲に立体感を出すことができます。

 

ぜひ目立ち易い連符、ハイトーン、ペダルなどの超絶技巧への対策も大事ですが強弱記号をつけての「表現」へのこだわりも追求してみてください。

 

2、出だしと切り

一人で練習を行っているので自分の好きなタイミングで音を吹き始め、好きなタイミングで終わることができます。もしくはメトロノームを使って決められたテンポ通りに始められたり終えることが多いです。

 

しかし、実際のアンサンブルでは

 

  • 指揮者

  • プリンシパル

  • 同じパート

  • 隣り合った奏者

これら生きている人たちと合わせて演奏をする必要があります。

 

・メトロノームを使い自分の思い通りのタイミングで音を出せるようにする練習

 

というのはとても大切ですが、例えば揺れる木や葉っぱにタイミングを合わせてみたり、音楽の流れを感じてその波に乗った音の出だしや切りをトレーニングするというのは効果的です。

 

アンサンブル能力というのは経験値と、その時その瞬間周囲を認識し行動を共にする能力でもあり、アルプス一万尺のような手遊びを始める一瞬前の手を合わせる感覚と似ています。

 

オーケストラで言えば100人先で演奏している奏者や指揮者との呼吸や、金管バンドでさえ10人ほど先にいる人との意思疎通や出だしを揃える作業が必要です。

 

一人でも個人練習をおこなっている際もほんの少しリハーサルや本番を意識して練習をするだけでだいぶ違います。ぜひ試してみましょう。

 

3、独奏と伴奏のスタイルの吹き分け

個人練習をしている自分のパートのみをよく見る機会が多く合奏になった時他の楽器が何をしているかがわかりにくいものです。

 

そのため普通の楽曲の他に協奏曲の際に多く見られるのが伴奏楽器の音量の過剰な大きさや演奏スタイルの不明瞭さです。

 

個人練習をおこなっているので性格やこれまでの経験次第で

 

・独奏的な演奏

・伴奏的な演奏

 

どちらかに偏ることが多いです。しかし、コルネットからベース、打楽器まで全ての楽器にソロや主旋律から伴奏まで幅広く出てくるのが金管バンドです。

 

これををわからず全てソロっぽく、全て伴奏みたいに演奏するのはせっかくのスタイルのや役割の違いを見せられるチャンスを見逃しもったいないです。

 

一番早い対策は、音源を聴くです。

 

聞いてしまえばどこがいつメロディで、どこがいつ伴奏かすぐわかります。

そのような自分の研究成果を合奏にもっていき指揮者が全員の意見を吸い上げ指揮者とバンドの両者の音楽を融合させた表現を作っていくのです。

 

でもバンド、つまり奏者の方が自分が旋律なのか伴奏なのかわからないまま演奏をしてしまうとそこを正すという作業から入らなくてはなりません。

 

なので身体的な練習の合間に楽譜を読んだり、曲を聴いたりし自分のパートのそれぞれの部分に何の役割があるのかを理解し練習をした方が効率がいいです。

 

旋律には旋律的な練習の仕方、伴奏には伴奏的な練習の仕方がそれぞれあります。ぜひ使い分け演奏表現に幅を持たせましょう。

 

まとめ

お仕事をし、自分の時間も楽しみ、そして音楽とも向き合う

 

そうすると必然的に音楽に使える時間というのも限られてきます。そんな中現代より難易度や芸術的価値のあがった金管バンドの楽曲を練習しようとしてもただ吹くというようなぶつかり稽古ばかりで時間が足らなくなってきます。

 

せっかく28名集まるバンドのリハーサルなのですからリハーサルでしか行えないことをする時間を増やすため個人練習の時間を工夫をしできうる限りのことはしてみましょう。

 

その事前準備がリハーサル、ひいては演奏会で花開きお客様の満足度につながります。

 

大掛かりなことは書きませんでしたが、やるやらないの差は時間の経過と共に大きく広がっていきます。ぜひいつも何か新しい事にチャレンジし変化を恐れず前向きに挑戦を続けてみてください。

 

ご読了ありがとうございました。

 

 

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