ベース奏法研究会で行なっている1,基礎固め 2,合奏対策 3,実戦練習について | 河野一之のブログ

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ベース奏法研究会で行なっている1,基礎固め 2,合奏対策 3,実戦練習について

この会では毎度素晴らしいご感想を頂き、参加者の皆さんと知識や経験の共有をさせてもらっています。
 
しかし、名前や写真、動画だけでは実体がわからない怪しい会?かもしれません。
 
そこで昨日、4回目を迎えた金管バンドのためのベース奏法研究会で何を行なっているか、文章で表せられないかと思い書いてみます。
 
目次
1, 基礎固め
2, 合奏対策
3, 実戦練習
 
 
1, 基礎固め
一般バンドに所属されたり、普段お仕事をされながら演奏を楽しまれている方々に、
ご自分一人でもご友人とも出来るものを提供しています。
(=既にそれぞれお持ちの能力を使って出来るもの)
 
 
ほぼ五線内の1オクターブを使い
 
・簡単な音域
・簡単な運指
 
でより向上できる箇所をアドバイスをしながら即興的に行なっていきます。
 
また理念として
 
「今できない事を学んで欲しいので、
ぜひ沢山失敗して"こんなやり方もあるんだ"」
 
というのを知って頂きたいというものがあります。
 
それは
できない=自分はダメだ
 
ではなく
 
できない=
やり慣れていない事を知った、伸びしろ大有り
 
というポジティブな姿勢で新しい知識をお持ち帰り頂きたいからです。
 
主に
 
・ロングトーン数種類
・リップスラー数種類
・ックのタンギング
・ヴィブラート
・強制倍音
・Bending
・構え方
・息について
・フィンガリング
・休憩の取り方
・Compensating system(コンペンセイティング・システムについて)
・アンブシュアについて
 
これらをTPOと奏者に合わせて見極めながら解説と共に練習をしていきます。
 
非常に即興的な瞬間瞬間で判断が必要な時間ですが、できるだけ
シンプルに簡単な基礎練習を行うことにより、
奏者がかかえる抜本的な課題に向き合うことができます。
 
2, 合奏対策
多くの奏者が譜面を配られた後
 
練習してください。
 
と言われ放置されます。
しかし練習の仕方、楽譜への向き合い方を分かった上で練習をするのとそうでないのでは雲泥の差です。
 
そこでベース奏法研究会では毎回新譜をお配りします。そして
 
この楽譜が配られた瞬間、
何に気をつけて合奏に向かいましょうか?
 
という議題のもと様々な意見を出し合います。
 
また気をつける部分は分かったけど、どのように気をつけるかの工夫の部分は、参加者同士や僕からの意見でどうしたらいいかを話し合い、それぞれで対応をしやすい方法を模索します。
 
例えば
 
・拍子や速度が変わる部分
←印をつける
 
・よく出る楽語の意味は覚える
Piu mosso, meno mosso, Vivoなど
 
・音楽家の豆知識を知る
←記号のクレッシェンド、デクレッシェンドは記号が付いている間だけ効果があり
cresc. & dim.は次の強弱記号まで効果が継続する。
←各Letterや区切りになる小節番号では隣の人となんかしらの合図を行い自信を持って次の出番に出られるようにする
 
・One play& Soloの印があった場合
←次に2ndがいつ入るか印をつけたり、息が持たなそうなことや二人で吹いた方が良さそうな所は話し合う。
 
=作曲者が
 
?音を薄くしたいのか
?一本で必ず吹いて欲しいのか
 
この意図を汲んで対応をする。
必ずしも一本で吹く必要は無い。
 
・ミュート・ワークを確認
←どこでミュートの取り外しをするのか
強弱記号が示す音量とミュートを付けた際の実際の音量は異なる
 
・複雑なリズム
本当に軽く見た際に理解できなかったリズムは分割や印を付けることにより初見に対応出来るようにする。
 
・転調
転調した際に新たに付くフラットやシャープ、ナチュラルには必要なら印をつける。
 
・音量が変わる箇所
特にSubit=突如として音量を変える箇所は分かりやすく印をつけておく
 
・譜面の製本
最近だとpdfでの楽譜の配布も増えてきています。その際に譜面の製本ができていないと譜めくりの際に落ちてしまうことも稀ではありません。その一回の落ちで5~10分無駄にしてしまのはとても勿体ないことです。ぜひテープ一枚で済むことは事前に済ませておきましょう。
 
・キュー(合図)付け
初見の際や参考音源を聴きながら譜面に向き合う際、印をつけながら聞くと長い休みや小節があった際に自身を持って数えられます。例えばA~B~Cの場合、Bからグロッケンが入ると書き込んでおけばAで落ちでもBから入り直せます。
 
3、実戦練習
ここでは実際の演奏時に使う能力を鍛えます。
言葉や楽譜では伝えにくいところを実際に吹いたり例を示しながら行います。
 
・ブレスの分け方
ブレスを分けることによって、よりフレーズや音楽を長く聞かせる。
 
・出だしや、演奏終わりのアンサンブル感
お互いを注視し合い始まりや終わりの演奏の仕方を揃えます。
 
・表現記号の表現の仕方
ベース研究会では一対一のレッスンと違い、複数での受講となりますんのでcresc.やdim.などの表現の仕方を実戦に近いアンサンブル形態で研究します。
 
・音色や音量の揃え方
 
・様々な曲に対応するスタイルの魅せ方
 
etc
 
まとめ
通常のレッスンと違い、とても実戦の考えに近い時間を心がけています。
僕自身が金管バンドで演奏しているときに感じた
 
・こういうところを事前に
準備できていたらよかった
 
という点に重点を置きプログラムをしているので、一度受講していただければ翌日からすぐに実践に活用してもらえるものばかりです。
 
また前半の基礎練習集は僕がいないとできない
 
ではなく、お一人で行なった際も気をつけられるポイントも同時にアドバイスさせて頂きますので今後の課題としてお持ち帰りいただいた際に効果はなお一層現れます。
 
 
普段お仕事をされながら金管バンドを楽しまれている方にとって毎週、月に数回のリハーサルというのはジャンルに限らずでしょうが大変貴重です。
 
そのような貴重なリハーサル時間を1秒でも有意義に、そして日本の金管バンドで演奏されているベース奏者の皆様に少しでもより良い時間をお過ごしいただきたいという思いで開催をしております。
 
それは僕たちただの
 
・経験者
・金管バンドをたまたま専門的に勉強してきた
 
ものからすれば些細なことなのかもしれませんが、その些細なことを共有させていただいただけでこんなに楽しくなるのであればやらない理由はないという理念のもと開催しております。
 
ぜひ、ベースに限らず日々の音楽活動を向上させる手立てはたくさんあるはずです。その中の1つにこのベース奏法研究がお手伝いができたら幸いです。
 
それでは今日も良いベースライフを
 
ご読了ありがとうございました。