演奏会中の司会のやり方、方法、準備 | 河野一之のブログ

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演奏会中の司会のやり方、方法、準備

 
演奏会やセレモニー、様々な場で必要になってくる司会という役
一見演奏会に華を添えるだけのシンプルな役に見える司会業
実際は演奏会の結果を左右するぐらいとても重要なポストです。
 
今日はそんな司会=MC(Master of Celemony)について解説。
 
  1. 司会の役割
  2. 準備
  3. 本番中
 
 
 
 

1、司会の役割

 
どれだけ演奏がよくても合間合間の司会や進行がグダグダしてしまうとせっかくの興が冷めてしまいます。

例えば、フィギア・スケートの解説や選手が出てくる間に話をしている人たちが

 

  • フィギア・スケートについて詳しくない
  • その場の雰囲気に合っていない
  • おどおどしている
となっていた場合、せっかく選手たちが素晴らしい演技を見せてくれていても興奮度が1割減になってしまったりするのは簡単に想像できます。
 
でも反対に
  • フィギア・スケートの選手並みに情報を持っている
  • 雰囲気に合わせて話している
  • より視聴者や観客のテンションを舞い上げるような話し方をしている
といった司会だと聞いている側も

楽しんでいいんだ、ノッていいんだ

となりリンクの上の熱戦に集中できます。
 
お笑い番組のTV撮影観覧だとあるそうですが、若手の芸人さんが前座としてお客様の前に立ち、リアクションの取り方やギャグなどを織り交ぜ楽しませます。そしてそんな楽しい雰囲気にしてからメインの芸人さんに入ってもらいTV撮影を開始するそうです。
これは合唱で言えば声出し、我々管楽器奏者で言えばウォーム・アップです。
 
 
TV撮影でも演奏会でもその場にいる方は全員「参加者」と捉え、
前座の芸人さんや司会者はお客様に
この演奏会の楽しみ方を話す仕草や内容によって暗示します。
 
するとただプログラムを読むだけでは得られない、
耳や雰囲気を通してこれから始まる演奏会への期待感が高まります。
 
 
 

2、準備

 
  • 演奏会の雰囲気を感じ取る
  1. プログラムは?(クラシックなのか、ポップス多めなのかなど)
  2. お客様の客層
  3. バンドの雰囲気
 
どんな演奏会なのかを理解しないまま舞台に立つのは自殺行為です。
登山道具無しにエヴェレスト登頂を目指すのと同じです。
どんな曲が演奏されるのか、どんな人が来るのか、どんな人たちが演奏するのか
を知るのはとても重要です。
 
・子供がたくさんくるコンサートで
難しい単語をテンションを低めで話しても
ポカンとされるだけです。
 
・音楽のファンというよりかは
地域の方々が多く来られるようなコンサートで
専門用語を話していても聞いてはくれません。
 
より大衆向けに言葉を噛み砕き、わかりやすい例をたくさん用意しておきます。
 
・音楽に精通する方が多そうな場合はより専門性の高い、
彼らが逆に知らなそうな情報を話すと興味を持ってもらえるかもしれません。
 
 

準備

情報が出揃ったら実践対策です。
演奏会に関する情報をキーワード化し書き連ねます。自分で探して得た情報ですし、実際に書いている時点で少しずつ覚えてきますのでカンペはいりません、大丈夫です。
 
それらを実際の現場を想像しながら声に出して実際に話してみます。
 
  • 子供が多そうなコンサートだったら、子供達に話しかけるように
  • 同年代が多そうだったら丁寧語で友人に話しかけるように
  • 目上の方が多そうだったら先輩や上司に話しかけるように
 
全て必ず声に出して練習を行います。
自分で発声することにより、自分の耳で話している内容を聞いているので
 
アウトプットとインプットがほぼ同時に行われます
これにより舞台上で話している時に次に話している内容がポンポンと出てくるようになります。
 
 
練習用に練習を行うと本番でその通りに粗がでます。
 
  • 喋り
  • 身振り手振り
  • 目線
  • 入退場の仕方
  • 立ち方
  • マイクの持ち方
ここられへんは練習をしておいて損はありません。

本番直前

 

本番直前、自律神経を安定させて準備してきたことのBESTを出すために

 

  • 舞台上や会場の下見
  • マイクで実際に練習
  • 深呼吸
自律神経を安定させる呼吸の動画

 

 

 

 

これらの事をやっておきましょう

また実際に衣装を着ての練習も緊張対策につながります。

 

緊張は未知の体験からくることが多いので、できるだけ舞台上で未体験のことが少なくなうように準備します。

 

3、本番中

どれだけ準備をしても大勢のお客さんを前にすると緊張はします。またそれから逃れることはできません。

しかし、緊張をすると想定して準備をしておけば緊張をした状態のままで自分のベストに近い結果を得られます。

 

またもし余裕があったら会場中を見渡しながら話をしましょう。

子供に、友人に、目上の方にお話するときのように会場中の人たちにお話をしてあげましょう。

 

大げさにしたいときは手を広げ、シリアスな話では声色を下げ、まるで楽器を吹いているときと同じように話している内容と自分の仕草をリンクさせます

 

笑顔や真顔、驚きの表情など身振り手振り以外にも使えるものはあります。

 

話していて観客のテンション次第では情報を増やしたり、減らしたりとあくまで聞いている側に立った話の長さやテンションに気をつけましょう、これは即興で選んでいくものです。

 

↑この本番中の司会内容の増減、テンションの変化を場の雰囲気によって変えるアドリブをするために

カンペがない方がいいのです。

カンペがあると、そのカンペ通りにいかない時に動揺してしまいます。

でも初めから普段話す時のように思いついたことをキーワードと共に話していけば大丈夫です。

 

 

緊張したり伝えたいことが多すぎると早口になりやすいです。

そうした場合は話している最中にしっかり間を取ってしまいましょう

話のリズムを変えることによって聴きやすくなりますし、こちらも一呼吸おけます。

 

 

 

まとめ

自分がこれまで得た経験を書いてみましたが、司会や進行によってそのあとの演奏の出来に関わらず、お客様や奏者の雰囲気作りは司会や進行の役割が大きいです。これにより演奏会の世界観をより状況することができます。

 

時には楽しい雰囲気、悲しい雰囲気、陽気な雰囲気、寂しい雰囲気、懐かしい雰囲気と

 

目に見えない音楽というジャンルだからこそ、聞く側の”感じ”を大切にしてあげることがより演奏会としての成功に近づかせます。

 

できるだけいい状態でお客様に奏者の熱演が伝わればいいなと、そんな気持ちで話していると

色んな情報が手に入ってまた次に活かせます。ぜひ演奏会としての成功のため、演奏以外の司会、進行も考えてみてください。

 

 

河野一之

 

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