に暴走するようなら、殴り飛ばしてでもその行動を止めるように」
「よいのですか、このままエルザ様を放置して?」
「そうね」chanluu人気
ミランダは少し口ごもる。ミランダもまた自分の過去を思い出していた。自分にも彼女と同じような時期があったのだ。その自分をして、エルザを止めることなど出来なかった。その結果が、たとえ悲惨なだけだとしても。
「休暇を与えたとして、エルザが泣き暮らして立ち直る種類の人間に見える?」
「いえ、そうではないかと」
「私も同じ意見よ。時には怒りや憎しみも生きる原動力になるわ。ただ過ぎたる怒りや憎しみは自分の身を滅ぼす。それだけ間違えなければ、彼女は大丈夫よ。彼女の止め役は」
「私ということですね。正直、自信がないです」
イライザが珍しく弱音を吐いた。ミランダは心配そうに部屋の外、イライザがいるであろう方向を見る。
イライザは続けた。
「私にはエルザ様の怒りを理解するような経験もなく、また私自身が怒りで戦っている人間です。あの人の怒りに引っ張られてしまうのではないかと」
「甘えるのはよしなさい。貴女はもうすぐ大司教付きの神殿騎士になるわ。その肩にはこれまでとは比べ物にならないくらいの重荷がのしかかる。そんな弱気では彼女の助け役はおろか、自分の役目すらやっていけないわよ。彼女の前に立ちふさがる敵だけでなく、怒りや悲しみまで斬り伏せるつもりで臨みなさい」
「わかりました。詮無き事を申しました」
「励みなさい。今以上にね」
「失礼します」
そうしてイライザの気配は去って行った。そしてミランダはそのまま語りかける。
「自分の事は棚に上げて、やっぱりアタシって嫌な女。楓、いるわね?」
「はい、ここに」
部屋の天井から楓の声がする。ミランダはそのままの姿勢で、
「エルザ達をこっそり見守りなさい。アタシの事はそれなりでいいから。多分彼女達には梓がついているだろうけど、少し重点的に見て欲しいわ。少なくとも、彼女が大司教に就任してから数カ月はね」
「了解しました。それよりミランダ様の体調は大丈夫で?」
「不死身のアタシの何を心配するってのよ。いいから行きなさい」
「ご命令とあれば。ただミランダ様もご自愛下さい」
そして楓の気配も消えた。だがその言葉にミランダは苦笑する。アクセ 激安
「あの子ったら、一言多くなってきたわね。誰に似たのかしら。将来的にやっぱり梔子みたいに口うるさくなるのかしら?」
ミランダもまた部屋を出て自分の執務室へ向かう。ミランダもまた人の心配をしている場合ではないのだ。やる事は山ほどあるのだから。そして彼女の最優先は、アルフィリースの力になることだった。そう、必要があればオーランゼブルやライフレスすら退けるだけの戦力を整えなければならないのだ。
ミランダも自分の決意を確認し、再び執務室へと向かうのだった。
時間は多少さかのぼる。ここはアノーマリーの工房の一つ。その場所に、苛立ちを隠せない足音が一つ足早に動いていた。
「アノーマリー、どこだ!」
足音と怒声の主はライフレス。姿も成人に戻っており、大股で歩く彼がそこにはいた。彼は次々に部屋を開けながら、しまいには苛立ちが限界を超えたのか、片っぱしから扉を魔術で吹き飛ばしてアノーマリーを探していた。
そこに何があったとアノーマリーが顔を出す。
「何? 何なの? 僕の工房を壊す気ぐえっ!」
「貴様、俺の下僕をどこにやった?」
アノーマ
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