先週末、友の会から案内があった市民公開講座(主催は某製薬会社)をオンライン視聴しました。
テーマは、「人生100年時代に考えるパーキンソン病」。
90分間ほどのプログラム。
前半は全国友の会副会長、後半は脳神経内科医の講演でした。
その講演の中で、「パーキンソン病パンデミック」というワードが何回か出てきました。
通常、パンデミックという言葉は感染症や伝染病で使われます。
日本語では、「感染爆発」などと訳されていますね。
では、非感染性疾患であるPDの「パンデミック」とは?
世界的にPD有病率は増加していて、高齢化に伴ってさらに発症者数の増加が推測されているようです。
全世界におけるPD患者数は2015年の690万人から、2040年では2倍以上の1420万人に増加する(推定)とのこと。
当然、日本も超高齢社会の進展により、患者数は増加していくのでしょう。
危惧されるのは、このまま患者数が増加すると、国の指定難病から外れる可能性があること!
ちなみに、難病の定義は、
1)発病の機構が明らかでなく、
2)治療方法が確立していない、
3)希少な疾患であって、
4)長期の療養を必要とするもの
となっていますが、
指定難病はさらに、
5)患者数が本邦において一定の人数(人口の約0.1%程度)に達しないこと、
6)客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること
という要件があります。
患者数が一定以上増加した場合、5)の要件に抵触し、指定難病の基準を満たさなくなる、ということです。
指定難病に位置づけられることで、医療費助成が受けられます。
もし外れてしまえば、これは由々しき問題です。
発症原因も分かっておらず、根本治療法も確立されていないのに…
過去にも、患者数の増加により公的支援制度が改変されたことがあります。
全国友の会は、指定難病から外すことがないよう国会請願等で働きかけをしています。
ここは踏み止まりたいところです。