同棲中の彼氏は何をやらせても人並み以上そこそこに出来る人だ。
目立った欠点や特技はなく、面白いことは言えない。
「この人は私が明日居なくなっても変わらず、生きていけるんだろうなぁ。」
という思いが、寂しさの根底である。
2人の仲だけの秘密や、じゃれ合い、支え合う関係に憧れているけれど、
私たちにそれは起きない。
もっと人間味が欲しい。
もっと分かりやすい欠点があったらいいのに。
もっと私の物になったらいいのに。
そう思うことはわがままだろうか。
他の人となら理想の関係は見つかるのだろうか。
私が未熟な人間だからそう思うのか。
何も思いやりがないわけではない。たまにデートもする。
でも彼は「私でなくてもいい。」のだ。
私が泣いていても気が付かない。
大きないびきと歯ぎしりは消えないのに、愚痴の一つも言わない。
「誰かに必要とされたい。」と思うことはわがままだろうか。
誰かとはこの先も彼ではないのだろう。