オーストラリアにワーキングホリデーで滞在していたときのこと。
日本食レストランで過酷なバイトを7ヶ月を終え、最後の締めとしてオーストラリアを長距離バスで旅行していました。
オーストラリア西海岸のパースへ行き、安宿バックパッカーに泊まり、前日イギリス人と汗だくになって国際卓球対決で盛り上った翌日の朝でした。
朝九時頃起きて、天気がとても良くて日差しがとても眩しかったのを覚えています。
宿の前でタバコ吸っていると(今は止めて吸っていません)、1人の小綺麗な紳士なおじいちゃんに話しかけられました。
天気がいいね。何してるんだいとかどこから来たのとか、何歳なのとかそんなことを聞かれて気がします。質問 に適当に答えていたら
よかったら今から家に来てコーヒー飲まないか。家はすぐそこなんだよ。僕はピアニストだからピアノも聞かせたいんだと言われました。
寝起きで頭もあんまりハッキリしておらず「なんてパースの人たちはフレンドリーでいい人なんだ」と感動しておじいちゃんの家へ一緒についていきました。
おじいちゃんの家に着くと中に招きいれられてドア閉められました。
ドアの鍵のロックが上から4つ、なおかつチェーンロックもかけられ、
「すごい頑丈に鍵かけるんだな。外国だし物騒だから仕方ないか」と思いました。
家は白を基調とした綺麗な家で、おじいちゃんはコーヒーすぐに出してくれました
そして、ピアノを弾くねと言ってピアノを弾き始めてたのですが、本当に上手くて、
なんの曲か忘れましたがミスタッチなく何曲か弾いてくれました
すげぇすげぇと拍手をしたら
おじいちゃんはサンキューと答えてくれて、私の横に座りました。
またそこで雑談的なことを話していたら、
おじいちゃんが右手で私の左の太腿を触りはじめました。しかもなでるように。
オーストラリア人ってボディタッチしてフレンドリーだなって最初は思って気にしなかったのですが、
その手が段々と上の方、股間の近くまで触ってきます
気のせいかと思い少し右に身体をずらして、おじいちゃんの右手をかわしました。
左側の奥の部屋にベットが2つ見えました。
そういえば奥さんは?とたずねました。
奥さんはいないよ、たまに男友達が泊まりに来るんだ。
良かったら一緒に寝ないかい?
日本人はシャイだから
自分からなかなかゲイって言わないよね
そこでやっと、青ざめて寝ぼけた頭がはっきりしました。
このおじいちゃんゲイなんだ。
おれはゲイだと思われてる。
そして今、おれはおじいちゃんに口説かれてベットへ誘われてるんだとやっと事の重大さがわかりました
当時の私は、自分で言うのは何なんですが
男性と韓国女性からモテました
男性からモテるのは不思議な感じでした。
オーストラリアはサンフランシスコに次ぐ世界2位のLGBTがいる国です。LGBTはまったく否定はしていません。
しかし私はノーマルです
おじいちゃんがゲイと分かってから、テンパりました
どうやってこの家から逃げるか
そういえばさっきの家の頑丈なロックは私を逃がさないためか。
コーヒーとかに何か入れられなかったか。
もうなんとか、なんとかこの場から逃げなければ。
おじいちゃんにこれから友だちと約束していてビーチに行かなければならない、申し訳ない、もう時間だから。ごめん。行かなきゃとまくし立てて、言いまくりました
するとおじいちゃん、すんなりと玄関まで案内してくれて、あの4つの頑丈なロックとチェーンロックも解除し外に出してくれました。
別れ際に、楽しかったよ、よかったら連絡くれと言い名刺をくれました。
名刺にはピアニストと書かれてました。
外に出られて、本当に何事もなくて良かったと安堵し宿に帰りました
もし、部屋の奥から数人のマッチョがでてきたら。
もし、コーヒーに何か入っていたら。
私の第二の人生がはじまっていたかもしれません
みなさん
寝ぼけた頭で、知らない人にはついていかないようにしましょう