まだ触れられていないSFCの特徴について少し述べます。
そもそもSFCの一番大きな特徴は、その存在自体が、一般的な「●●学部▲▲学科」に代表される学問領域の専門分化に対するアンチテーゼである点だと理解しています。
SFCの考え方は、大体以下のような感じです。
「現代の複雑な社会環境において、1つの専門領域の知識だけで解決できる問題は少ない。
自ら問題を発見・設定する力をつけ、問題解決のために学問領域に捕われず必要な知識を学び、解決に導く自律性を身につけて欲しい。
そのための武器と環境は用意してある。」と。
SFCの学部が学問領域をはっきり表していないのは、このような考えに基づいています。
結果的に、座学だけでなくプロジェクトベースを好むという特徴も生まれます。
ITや英語のようにメディアが持ち上げていた点は全員の必修科目ではありますが、SFCを特徴づける本質的な部分ではありません。

そして、当時から学生が自戒してよく言っていたのは「何も考えずに4年間過ごした奴には、何も残らない」ということです。学校が自分の4年間の中心軸を設定してくれないので、自分で考えなければなりません。専門的に深めたい領域は何か、補完的に学ぶ領域は何か、全て自分で考る必要があります。
よって、もしSFC出身者に会って中途半端だと感じたならば、それはSFCの責任ではなく卒業生個人の責任です。
SFCでの典型的失敗例です。