悪医
読みました


著者は現役医師だそうで
さすがのリアリティー


いろいろと考えさせられるお話でした


余命宣告をする側の医師
余命宣告を受ける側の患者
物語りはふたつの視点から描かれています



治療を受けられるということは
例え完治はないとしても
生きる希望になる


それを絶たれるということは
死刑宣告されたも同然と思っても仕方がない


患者側の精神的苦痛は想像できるけど
それを告げる医師はその時
何を思うんだろう


何十人、何百人と診てきた患者のうちのひとり
ルーティンのようにサラッと流されるんだろうか


辛い現実を告げなければいけない医師も
もしかしたら心を痛めているのかもしれない


2人に1人が癌になる時代
癌は治せる時代
だと言われているけど
実際は遠隔転移してしまえば
死へのカウントダウンが始まったと言っても過言ではない


予後をどれだけ伸ばせるか
どれだけ症状を緩和できるか
というのがstage4の癌治療


それでも諦めてしまったら先はないから
諦めずに必死に治療を受ける


どれだけ頑張っても亡くなってしまう人もいるし
奇跡的に寛解する運がいい人もいる


もう治療法がなくなってしまった時
仕方ない、と現実を受け入れられる人もいれば
最後の最後まで諦めずに治療を受けたい、と
願う人もいる
その治療が身体を酷使して結果的に命を縮めてしまうとしても


QOLを何より大事に考えるわたしはたぶん前者だけど
どちらもその人の生き方、考え方
その人らしく生きることが1番大事なことだと思う


安易に大丈夫とは言えないのだろうけど
生を諦めきれない患者に希望を与えるのも医師の役目なのかもしれない


緩和ケアは身体の苦痛を和らげるだけでなく
心の苦痛も和らげる治療であって欲しいと思う



この本を読んで
わたしは主治医のことを考えていました


わたしがこの先余命宣告を受けるとしたら
主治医はどのように伝えてくるのか
それを聞いたわたしはどう思うのか


見捨てられたような気持ちになるんだろうか?
それとも、今までありがとうございました!と感謝の気持ちを持てるのか


自分の心を守る為にも
これから治療を受ける上でも
主治医との信頼関係は大事だと思いました




まだまだ死ぬ気はしないですけどね!