最近、こんなことがありました

 

商標権が、東京国税局によって

ネットオークションで

公売にかけられた。

自己破産なのか

なんなのか分かりませんが、

今回はあえて無視して

音楽面について言及します

 

黒夢がデビューした当時、

「もうこういう系統のバンドも終わったな」

と思いました。当時はV系という言葉すらない時代

 

「あまりに誇張したファルセットボイス」

「シンプルで案外POPな音楽性」など

当時の私としては

「簡易版LUNASEA」に見えたんですが、

彼らはV系歌謡然とした

デビュー曲「for dear」から

作品枚に新しい側面を

見せるようになり、

最終的には「渋谷系パンク」

などと言われてました。

 

デビュー当時

V系歌謡 for dear

https://youtu.be/aEjAE3WtBbw

 

中期

ストリートテイストなV系 BEAMS

https://youtu.be/SglQxrNcFhE

 

パンク化した彼らの曲は

直線的でラウドしかし"元V系"だけに

マイナーコードを多用した曲が特徴

清春の作曲法はマイケルジャクソンと

同様で"口のみ"で作っています

アレンジャーに鼻歌とか

「擬音語」で伝えている

 

唐突な転調も良くある事、

 

私、音楽的なパンクは

あまり好きではありませんが、

黒夢パンクは大好きです。

 

V系(ゴス×メタル×NW×ジァパメタ)が、

パンク(直線的・批判的)を

楽器ではなくイマジネーションでつくる

 

これらがとんでもない

化学反応を生みました。

 

伝説のライブ音源

live at Shinjuku Loft 1997

https://youtu.be/JwBr4y3l9EE

 

そして、注目すべきは

清春によるその歌詞の生々しさでしょう。

オールドスクールなパンクの

歌詞と言えば反体制が主流

要は社会や権力(権力者)を

disり若者の気持ちを代弁

 

ですが、キャリアを重ね

年齢も大人になり、

いつまでも「disってばかり

もいられない訳です

あとdisるネタにも限りがありますし

 

その点、清春の歌詞は

「手の平を返した大人」だったり、

「右へ倣えで馬鹿な同世代」だったり、

「人形みたいな化粧バンド」

だったりする訳です。

 

そう、全て自身の経験や

「かつての自分」なのです。

 

おおくのオールドスクールなパンク歌詞は、

他人について歌っています。

悪く言えばコメンテーターなスタンスです

社会が悪い、親が悪い、

大人が悪い、アイツらが悪いとdisる

 

清春の場合は、

他人について歌っているようで、

その他人の多くはかつての自分や

その取り巻きだと思います。

 

私はこのやり方に

清春の頭の良さと謙虚さを感じました。

 

多くのパンクロックは、

「君の主張は分かったよ。

でも、君自身はどうなんだろう?」

このような客観的な批判に

弱い傾向があります。

 

清春は違います。

かつての自分の過ち、

ダサさをさらけ出しています。

そして自身の経験からくる描写は

非常に生々しくリスナーを刺激します、

 

清春のキャリアは表面的に見れば

カメレオンのように多種多様ですが、

本質は一貫しています。

「過去の自分を否定」

「音楽性をかえ続ける」です。

 

過去の自分を題材にし続ける限り、

清春は常にロックをより

生々しく描く事ができる

 

他人に依存しない、

自立したアーティストだと思う。