以前書いた記事
(V系のルーツ)の中で、
BUCK-TICKは「V系」と
「V系じゃない」
グレーゾーンだと書きました。
解釈によって「V系」ともとれるし、逆も然り
そんな不思議な立ち位置のバンド
BUCK-TICKについて書きます。
「最初聞いた時は意味が分からなかった。
特に関西はメタル人口が多かったから
何に影響をうけてこうなるのか??
しかもあのビジュアルで
本当、衝撃的だった。
(TMR西川)
時は80年代中期~後期のインディーズシーン
メタル勢~パンク・ハードコア勢が
凌ぎを削っていました。
そんな中表れたのがBUCK-TICK。
初期はCUREの耽美的な曲を
BOOWYが演奏したようなイメージでした。
メインソングライターである
今井寿(ギター)の
ルーツミュージックは、
YMO、クラフトワーク、
RCサクセションクラウトロック、
UKパンク~ニューウェイブetc
wikiを見ると60年代POPサウンドと
アプローチの多用化した80年代サウンドに
多大な影響を受けているが
音楽が硬質化した70年代の影響は
全く受けていない特異な感性との事です
まあこのようなノリの人が
ロック畑で活動したことは、
非常に珍しいことだと思いますね、
しかも化粧+金髪というビジュアルで。。
彼らにとってみれば
「リフ」「テクニカルなギターソロ」などは、
全くもって文法にない訳ですね。。
「変なことをしてやろう!」
という考えではなく、
素で周囲から「はみ出ていた」というのが
実態だろうと思います。
彼らの音楽的な特徴は
ギクシャクしたビート感
空間を意識したキーボードとしてのギター
ダークな質感・透明感・浮遊感という
色彩を音で描くというニューウェイブ感覚
シンセサイザーが欲しかったけど、
髙くて買えなかった(今井 寿)
こういうノリですね。
【BUCK-TICK名曲集】
ICONOCLASM
サイバーパンクと言いたくなる程、
鋭角的なギターワーク
インダストリアルっぽい
ROMANESQUE
歌詞の意味不な感じもかなり好き
時空が歪んだような
今井寿のフレージングには
センスしか感じない
just one more kiss
V系っぽい、。でもなんか違うかもな1曲
ギターが輪郭のある音を殆ど弾いていない
コーラス、リバーブの嵐
V系はヘビィメタルがゴスっぽい
アプローチをする事から
生まれた音楽だと思います。
なのでメタルの影響を
全く受けていないBUCK-TICKは、
私のV系論では
「V系に影響を与えた
ニューウェイブバンド」って立ち位置
ただ、後発に対する影響の度合いが
あまりに大きすぎる為
(LUNASEA 黒夢)
BUCK-TICKがいなければ
V系は全く別のモノになっていた
可能性が極めて高い為、
考えようによっては
V系ともとれるんですよね~
ただ、V系がビジネスとして
花開いた90年代、
BUCK-TICKは実験的かつ
マニアックな方向性で
シーンを牽引しました。
「こんな事メジャーで出来るのか?!」と
心配になる位の暴れっぷり.
彼らのやり過ぎな
音楽遍歴に関しては、
今後別件で
書きたいと思います。
なにはともあれ、
BUCK-TICKは
V系ではない。。、と思う。。