簡単に書きますね。

 

クラシック音楽と呼んでいるヨーロッパから来た音楽を機能和声と、

 

アメリカが生んだジャズ和声という風に分けて考えてみます。

 

 

この両者は私は昔から起源は同じじゃないかと考えていました。

 

やはりそうでした。

 

何が違うかというと、

 

近代に近づくにつれて和音の拡大(3和音が7和音、9和音と増えていく)

 

不協和音が導入されていきます。

 

 

ちなみにクラシックを学んだ私たちが知っている機能和声は、

 

協和音の3和音、属7の和音、

 

その後ロマン派の終わりころまでに付加6や属9度の和音が導入されてきました。

 

ただし和声学上の9の和音は属和音上のみで使用されていました。

 

 

ここで大事なことは、

 

 

私たちの学んだ機能和声は、あくまでその調の根音である音が基準で、、

 

その属音、つまり5度上の7,9、ということでした

 

併しジャズは、

 

各和音の7番目とか9番目とかで表わします。

 

その違いがあるので本を見るとわかりずらいですね。

 

そこをきちんと了解しておいてください。

 

 

 

ジャズにおいては、機能和声では不協和音の扱いを受けてた属の9や13という和音を

 

テンションといい、事実上拡大された和音が受け入れられ始めました。

 

そしてそのテンションがジャズの和声に変化を持たせる常套手段となったのです。

 

 

ここで説明します。

 

 

和音は3度3度で組み合わされてます。

 

3度ずつ上に積み重ねていきます。

 

ド、ミ、ソが3和音。

 

ド、ミ、ソ、シ、は7和音、、そのように9、11と3度ずつ積み重ねていきます。

 

 

属がついてるのは、

 

主調に対し5度上からなる和音です。

 

つまりハ長調なら1度の和音はド、ミ、ソ5度の和音がソ、シ、レ、で属の和音になります。

 

属7の和音は5度のソ、シ、レ、にまた3度重ねたド、ミ、ソ、シ、となります。

 

ですから属7,9,13の和音の導入は時間こそ違いますが、

 

機能和声もジャズでも同じように導入されているのがわかります。

 

また、属7の和音が先に出てきて後に長7の和音が出てきました。

 

属9も同じです。

 

 

ここまでの機能和声とジャズの違いは、

 

和音が拡大され(テンションとして不協和音が使われている)だけだということをお話ししました。

 

 

 

次に、類似点についてまとめてみました。

 

 

 

ヨーロッパ音楽にも近代に近づくと、ジャズと共通して半音階的進行が見られます。

 

その効果は両者共装飾的な効果のため使ってます。

 

この時期両者とも旋律をあいまいにして和声の響きを重視すようになってるのが注目されます。

 

 

多調性、12音技法、無調性、

 

これは私たちの音楽協会の生徒の機能和声のテストにも出題されています。

 

これらはフランス印象主義の様式に代表されます。

 

ストラヴィンスキーなどが代表的です。

 

 

又私たちの学んだ機能和声でも、

 

代理和音や借用和音などは和音の拡大やテンションにつながっているんでしょうね。

 

 

 

 

最後にもう一つ興味深いことがありました。

 

機能和声で勉強した教会旋法です。

 

これがジャズに取り入れられているんです。

 

ジャズのブルース音階の3度7度をブルースノートにしたものと、教会旋法のドリア旋法が近似してます。

 

 

まとめ

 

では今の有名なジャズ作曲家はジャズの和声を基に曲を作ったのでしょうか?

 

両方だと私は思います。

 

 

サックス奏者のチャーリーパーカーが、

 

独自に即興的感覚として長7度、調9度の和音を発見したと言われます。

 

 

色々な文献からもジャズ音楽はクラシックからの影響を大きく受けていることがわかります。

 

 

偶発的発見というのもアリでその後段々和声として和声学としてまとめられたという説があります。

 

そう考えると、

 

ジャズ音楽家がいかに感覚が優れてるかわかりますね。

 

 

機能和声が100から200年かかってたプロセスを、

 

ジャズはたかが30年でここまで来たということがすごいですね。

 

 

受け継いだものに創作、発見、感覚を加え作り上げたジャズ即興音楽ってすごいと思いました。

 

 

 

長々読んでくださった方感謝いたします。