前々回のブログに、剣道の修行を通して立派な人間になろうという志がまず大事なのではないか、と僭越ながら書かせていただきました。
剣道の修行の中に、人間力を高めてくれる教えや歴史、要素がたくさんあります。
しかしながら、それを、人間力を高める栄養にするか否かは自分次第です。
私が某道場に通い始めて間もないころ、M先生(教士七段)から教わったお言葉があります。
「天知る、地知る、人知る、我知る」です。
ネットで調べると、出典は後漢書で、正確には「天知る、地知る、我知る、人知る」の順らしいのですが…
(ちなみに、賄賂を渡そうとしてきた相手を戒めるべく楊震が発した言葉みたいです。意味は、他人は知るまいと思っても、天地の神々も、自分も、それをするあなたも知っている。悪事は必ずいつかは露見するものだということ。四知。(goo辞書より引用)))
聞いた当時の私は、最後の "我知る”と言われたことにビビッときて、
「天も、地も、誰も見ていないと思っても知らないうちに誰かに見られていて、なにより自分だけは絶対にだませない。」と勝手に解釈していました。
この言葉は、剣道の稽古のみならず、日々の生活の中での支えとなってきました。
どんなに情けなくても、失敗しても、力及ばなくても、
理不尽な目にあっても、誰にも理解してもらえなくても、
その時出来得る自分の最善を尽くす。
天も地も人も、なにより自分がそれを知っている。