人事にとって、優秀な学生について、やや世間的に認識がずれているので、ここで記載しておく。
話が拡散しすぎるので、今回は、「新卒で男性」のケースに限定して話を進めていこうと思う。

企業は、口を揃えて、「優秀な人材」という言葉を並べるが、果たして企業にとっての意味は・・。
「就職本」を見れば、いくらでも記載してそうな話ではあるが、実際の採用実務の現場とは全く解釈が異なっているのが実情。
なぜなら、下記に記載するが、現実はあまりに生々しくて、書籍として出版出来ないから記載していないだけであり、学生にとっては非常に残酷だと思う。

ずばり、現場の人事にとって「優秀な学生」とは、「辞めない奴」である。
飛び抜けた学歴(国立A級)や資格(Aランク資格)を保有している学生は、当然ながら別格。

新卒と中途の大きな違いは、新卒は原則職務経歴が無いということ。
つまり、極論を言えば、「誰を採用しても、大した結果の違いがない」ということで、新卒採用はある意味、ババ抜きみたいなもの。100人採用しても、全員残ることは想定しておらず、自然淘汰で人数は自ずと減ることは分かっている。

現場の人事としては、多大なコストを掛けたのに、数ヶ月で退職されると自分たちの評価引き下げにも繋がるし、翌年の予算も貰えなくなる。人事という仕事は、社内的にはランクが高いものの、事業部からは嫌われている。すぐ退職する人間がいると、事業部からの苦情にも対応せねばならず、短期退職が続出すると、事業部に移ってからの退職でも、「人事の目が悪かった」とまで言われるようになる。

人事はどこでも、波風立たせたくない事なかれ主義の部である。
どんなにパワハラをしても退職しない、まさに「奴隷」のような新卒学生男子を求めているのが実情であり、そんなことは決して「書籍」という形で出版できないから、学生と企業で温度のミスマッチが出ているのだ。

男子学生諸君、つまらないサークルの話等せず、自分がいかに忍耐強いか、退職しないかをアピールすることが、内定早期獲得に繋がるはずだ、健闘を祈る。